
森ビル株式会社は、2026年3月期の決算で、主力大型プロジェクトである「麻布台ヒルズ」と「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の本格稼働を追い風に、営業収益と利益がいずれも過去最高を更新したと発表しました。
当期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の営業収益は4111億円で前期比6.5%増となり、営業利益は979億円で同16.2%増、経常利益は912億円で同16.1%増、当期純利益は530億円で同5.1%増となりました。
東京中心部でオフィス・住宅・商業施設などを一体的に開発する同社にとって、麻布台ヒルズと虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの賃料収入に加え、住宅分譲やホテル事業の収益拡大が増収増益の主因となっています。
セグメント別では、賃貸事業の営業収益が2,559億円(前期比8.2%増)、分譲事業が819億円(同4.7%増)、施設営業が546億円(同6.8%増)、海外事業が280億円(同4.5%増)と、いずれも堅調でした。
麻布台・虎ノ門エリアの複合開発はフルイヤー稼働の段階に入り、賃貸料の底堅さと高い稼働率が収益基盤を押し上げています。一方、コストの上昇やインバウンド動向など、事業環境には不確実性も残ります。
前期(2025年3月期)も麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの通期稼働などを背景に、営業収益3858億円、営業利益842億円、経常利益785億円と過去最高レベルを更新していましたが、今期はそこからさらに上積みした格好です。
同社は長年、「Vertical Garden City(立体緑園都市)」のコンセプトを掲げ、六本木ヒルズやアークヒルズといった大規模再開発を通じて、緑地と都市機能を高密度に融合した街づくりを推進してきました。
27年3月期も増収増益を予想、市場環境と今後の焦点
森ビルは、2027年3月期についても、麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズ ステーションタワーを中心とした賃貸収益の伸長と、住宅分譲の進捗状況などを背景に、増収増益を見込んでいます。
都心部のオフィス市況は、コロナ禍後の働き方の変化を受けて二極化が進むなか、立地やグレード、環境配慮性能に優れた物件へのニーズは強く、同社が展開する「ヒルズ」シリーズは高い稼働率を維持しているとされています。
麻布台ヒルズと虎ノ門ヒルズ ステーションタワーでは、オフィスだけでなく高級レジデンス、商業施設、ホテルなどを一体的に開発しており、分散した収益源を持つことで、景気変動に対する耐久性の高いポートフォリオ構築を図っている点も特徴です。
国内不動産市場では、オフィスニーズの変化や住宅価格の高止まりなど先行きへの注意が必要な点も多く、森ビルも追加投資などを慎重に進める方針です。東京都心の大規模複合開発で確立したブランド力と多角的な収益構造を背景に、同社が中長期的にも安定した成長軌道を維持できるか、市場の注目が集まっています。












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