
ホルムズ海峡では5月20日までに大型タンカーの通過が相次いでおり、一時的に低迷していた原油輸送量に明確な増加の兆しがみられています。これにより、当事国による政府間レベルでの通航合意が今後の安定的な輸送拡大につながるとの期待が市場で高まっています。19日午後には、中国の超大型原油タンカー(VLCC)2隻が同海峡を通過したとみられ、その数時間後には韓国に向かう3隻目も続きました。これら3隻の積載量は合計で約600万バレルに達し、24時間での原油輸送量としては過去1カ月余りの期間で最大級の規模を記録しました。
これらの船舶は、海峡の危険地帯を抜ける前に、航行中に自船の位置情報を知らせるデジタルトランスポンダーを意図的に停止しました。うち2隻は通過後にオマーン近海で確認されましたが、残りの状況や米国による厳重な海上封鎖を完全に突破できるかは不透明です。しかし、韓国政府の発表によると、同国に向かうスーパータンカー「ユニバーサル・ウィナー 」は、今年2月の開戦以降、韓国関連のVLCCとして初めてホルムズ海峡の通過に成功した船舶となりました。
輸送量は依然として開戦前の水準を大きく下回っていますが、各国政府間では個別に輸送拡大を目的とした調整が進み始めている状況です。イラン国営テレビは、韓国が中国に続いてイスラム革命防衛隊と連携し、通航調整を進めていると報じました。実際のところ、韓国外務省は、同海峡で足止めされていた自国のタンカー26隻のうち1隻がイラン側と4回にわたる協議を経て海峡を抜け出たと明らかにしており、その際に通航料は支払っていないと説明しています。さらに、インドも開戦後初めて中東でエネルギー貨物を積み込むため、海峡経由で船舶を派遣する準備を進めており、慎重ながらも買い手側で輸送再開への自信が広がりつつあります。
米国の独自封鎖措置と今後の地域貿易への影響
一方で、米国はオマーン湾においてイラン関連の船舶を標的とした独自の海上封鎖措置を続けており、地域貿易の流れを引き続き混乱させています。米軍は20日、これまでに自国の厳しい規制順守を目的として、商船90隻に対して航路の変更を強制させたと明らかにしました。
ここ数週間、各国政府が自国船舶の通過を巡って水面下で個別交渉しているとの報道が相次いでいますが、こうした米国の強硬な姿勢もあり、海峡全体の輸送量は低迷したままです。複数のタンカー通過が確認されて安堵が広がった日があっても、その後に再び輸送量が落ち込むケースはこれまでにも起きています。各国の個別合意による通航再開の動きと、米国の厳しい封鎖措置が交錯する中で、ホルムズ海峡をめぐる原油の安定供給には依然として大きな不確実性が残されており、今後の各国の外交的駆け引きと軍事情勢の変化が強く注視されています。
ホルムズ海峡に関する各国の動きについては下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/strait-of-hormuz








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