
日本株式市場がかつてない活況を呈しています。現在、東京証券取引所のプライム市場における1日の平均売買代金は10兆円の大台を突破し、1年前と比較して2倍に急増しました。この取引額の増加は単なる株価水準の高まりによるものではなく、日本株が上昇基調に入った3年前と比較すると売買代金規模は約3倍に拡大しています。特に5月の活況は顕著で、5月14日には12兆376億円に達し、前身の東証1部時代を含めても過去最高を更新する記録的な大商いとなりました。
この未曾有の相場を主導しているのは海外投資家です。4月のプライム市場における彼らの買い越し額は現物・先物合計で5.6兆円に達し、月間ベースで過去最大を記録しました。ドル建てで見た日経平均のパフォーマンスが米国主要指数を上回っていることが、これまで日本株を手掛けてこなかった米系顧客や年金基金などの新たなマネーを惹きつけています。
銘柄別に見ると、人工知能(AI)や半導体関連株が市場の主役に躍り出ています。中でも市場の注目を独占しているのがキオクシアホールディングスです。同社は生成AI向けデータセンター需要を背景としたメモリー価格上昇期待から買いを集め、5月21日には時価総額が初の30兆円を突破しました。同日の売買代金は国内の単一銘柄として初めて3兆円を超え、プライム市場全体の約3割を単独で占めています。5月の売買代金ランキングにおいても上位をAI・半導体関連企業が独占しており、日本株の牽引役が明確にシフトしていることがうかがえます。
個人投資家の活発化と市場の安定性を高める好循環
海外マネーの大規模な流入と並行して、個人投資家の存在感も飛躍的に高まっています。4月の個人による総売買代金は103兆円に上り、1年間で2.3倍へ拡大しました。この背景には、SBI証券の日計り信用無料化などのニュースをはじめとするネット証券での取引手数料ゼロ化や、「日計り信用」のコスト撤廃があります。取引コストがなくなったことで、日中の値動きを狙う頻繁な回転売買が急増し、市場全体の売買代金の底上げに大きく寄与しています。
同時に、少額投資非課税制度(NISA)を通じた長期目線の資金も着実に流入しており、20代を中心とした若年層の株主数も大幅に増加しました。こうした分厚い流動性が形成されたことで、機関投資家の調整売りや企業の株式持ち合い解消に伴う大規模な売り圧力も、相場を崩すことなく買い吸収されるようになりました。この「売りをこなしながら上昇する」相場の力強さと安定性が、さらに新たな投資家を呼び込むという極めて良好な循環を生み出しています。












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