
沖縄県名護市辺野古沖で船が転覆し、研修旅行中だった同志社国際高校(京都府京田辺市)の生徒らが死傷した事故を受け、松本洋平文部科学相は22日の閣議後記者会見で、文部科学省による調査結果と見解を公表しました。同省は、同校の辺野古への米軍基地移設工事に関する学習が、政治的活動を禁じる教育基本法に反するとして、同校と、運営する学校法人同志社(京都市)に是正を求める指導通知を出しました。
松本文科相は会見で、同校の研修旅行について、事前の計画や当日の対応、教育活動の状況などで「著しく不適切で、学校法人と同校の責任は極めて重い」と厳しく指摘しています。事故後の調査で、乗船に関する事前の現地下見が2023年から一度も行われておらず、引率教員は波浪注意報の発令を把握しないまま、乗り物酔いなどを理由に船に同乗していませんでした。また、ライフジャケットの着用方法など、生徒に対する事前の安全指導も未実施だったことが判明しています。
事故は3月16日に発生しました。小型船2隻が相次いで転覆し、生徒18人を含む計21人が海に投げ出され、同校2年の女子生徒(17)と男性船長(71)の2人が死亡、14人が負傷しました。転覆した2隻の船は平時、米軍普天間飛行場の移設工事の抗議活動に使われていました。さらに、過去の研修旅行のしおりには、基地移設の抗議活動への参加を呼びかけるような文書が掲載されていたことや、開会礼拝で牧師が生徒に抗議活動に関する説明を行っていた事実も確認されています。
文部科学省はこれらの行為が、学校教育における政治的活動の禁止を定めた教育基本法第14条に違反すると判断しました。同省が個別の学校の教育内容について同法違反を認定するのは異例の事態です。松本文科相は調査結果をふまえ、全国の学校を対象に安全確保や適切な教育活動の実施状況について近く実態調査を行う方針も示しました。
京都府知事は私学助成金の減額を検討、学校側は改善措置を表明
こうした文部科学省の厳しい調査結果を受け、所轄庁である京都府も対応に乗り出しました。京都府の西脇隆俊知事は22日の定例記者会見で、同校に交付している私学助成金について、減額を検討する方針を明らかにしました。
西脇知事は会見で、安全管理が著しく適切さを欠いていたことについて「まことに遺憾」と言及し、「ここまで明確な不適切対応があれば、減額せざるをえない」と厳しい見解を示しました。6月の交付時期に向けて具体的な検討を進めるとしており、府として同校へ是正と再発防止を求める通知を独自に出しました。
これに対し、同志社国際高校を運営する学校法人同志社は22日、ウェブサイトにコメントを掲載しました。文科省などの指導を「重く受け止める」とした上で、「かけがえのない命が失われた本校の責任を決して忘れない」とし、改善措置を速やかに実施し継続的な検証と見直しを行う姿勢を示しました。












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