スペースX、アンソロピックと月額2000億円のAIインフラ契約 S-1提出で明らかになった全容

データセンター

スペースXが米証券取引委員会(SEC)に提出したIPO(新規株式公開)の目論見書(S-1)において、AI企業アンソロピックとの間で結ばれた超大型契約の全容が明らかになりました。

同目論見書によると、アンソロピックはスペースXが保有するAI向け大規模データセンター「COLOSSUS」 および新設された「COLOSSUS II」の計算容量を利用する対価として、2029年5月まで月額12億5000万ドル(約2000億円)を支払う契約を結んでいます。この契約は年額換算で150億ドル(約2兆4000億円)規模に達し、期間満了まで継続した場合には総額400億ドル以上となる計算であり、スペースXにとって極めて強固な収益源となる可能性があります。

契約では、2026年5月と6月には割引料金が適用され、その後は月額12億5000万ドルの通常料金へ移行します。また、双方が90日前に通知を行えば契約を終了できる解除条項も含まれています。スペースX側はこの取引を「自社インフラ内の未使用計算容量を収益化する取り組み」と位置付けており、将来的にリソースが必要となった際には、自社のAIモデルの訓練や推論などの内部プロジェクトへ柔軟に再配分できる余地も残しているということです。

スペースXは、ティッカーシンボル「SPCX」として米Nasdaq市場への上場を申請しており、これまで同社はロケット打ち上げ事業や衛星インターネットサービス「スターリンク」を成長の柱としてきました。なお、イーロン・マスク氏は宇宙にデータセンターを構築する構想も掲げています。

今回の目論見書では、同社が対象とするTAM(獲得可能な最大市場規模)を28兆5000億ドルと試算しています。このうち、宇宙分野は3700億ドル、通信分野は1兆6000億ドルであるのに対し、AI分野は26兆5000億ドルとされ、全体の9割超を占めます。スペースXは上場にあたり、ロケットや衛星通信を遥かに超える分野として、AI向け計算資源の外部提供を含むAIインフラ事業を成長ストーリーの中心に据えようとしています。

スペースXのIPO申請が国内関連銘柄にも波及、アステリアが急騰

史上最大規模となるスペースXの上場観測や、同目論見書で示されたAI分野への本格的な事業展開は、日本の株式市場にも大きな波紋を広げています。イーロン・マスク氏率いる同社がIPOに向けた目論見書を公開したことを受け、国内市場ではスペースXへの出資企業として知られるソフトウェア開発会社のアステリア(証券コード:3853)に投資家の関心が殺到しました。5月21日以降、同社の株価は大幅に続伸し、年初来高値を更新する動きを見せています。

さらにアステリアは、定款の一部変更を発表しており、「ロボットに関する製品、部品、関連機器の開発、輸入、輸出とその販売」や「衛星通信を使用した情報サービス」、「AI」などの成長領域における事業活動を長期的かつ機動的に実施できる体制を整えています。スペースXがAIインフラや衛星通信分野で飛躍的な成長を見込む中、国内の関連銘柄に対しても、今後の事業拡大やシナジー効果への期待から資金が流入しやすい環境が形成されています。世界中が注目する6月の上場に向け、関連企業の動向からも目が離せません。

スペースXの最近の動向については下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/spacex

アンソロピックの最近の動向については下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/anthropic

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