
5月25日正午ごろ、東京都中央区銀座の中心部に位置する大型複合商業施設・GINZA SIXの1階にある三井住友銀行のATMコーナー付近で、「刺激臭みたいなものがあり、みんなが咳をしている」「自分も喉が痛い」と異臭を訴える110番通報や119番通報が相次ぎました。
警視庁や東京消防庁の調べによると、現場で何者かが催涙スプレーのようなものを噴射したとみられています。この影響により、周辺にいた20代から80代の男女合わせて26人が喉のしびれるような痛みや激しい咳き込み、頭痛といった体調不良を訴えました。そのうち、少なくとも19人が救急車で病院に搬送されましたが、いずれも意識ははっきりしており、命に別条はないということです。残りの被害者も現地で応急処置を受けました。
休日の買い物客らが行き交う日本有数の繁華街で起きた突然の事態に、現場は一時パニック状態となりました。東京消防庁は、多数の傷病者が発生したことを受け、大規模災害時に出動する特殊救急車のスーパーアンビュランスや災害派遣医療チーム・DMATを含め、合わせて約60台もの車両を緊急出動させました。現場にはブルーシートが張られ、ガスマスクや空気ボンベを背負った隊員らが駆けつけるとともに、治療や搬送の優先順位を決めるトリアージが迅速に行われました。
現場付近の柱などから消防が簡易鑑定を行ったところ、スプレーの成分からは唐辛子に含まれる強い辛み成分・カプサイシンのようなものが検出されています。現場に居合わせた買い物客からは、突然激しい喉の痛みに襲われ、ハンカチで口元を覆いながら必死に避難したという声が上がっています。また、周囲にいた人々のなかには嘔吐してしまう人も見受けられるなど、現場は一時騒然としました。
外国籍同士のトラブルか 警視庁が傷害事件として捜査
警視庁築地署などの調べによると、現場に設置されていた防犯カメラには、不審な人物がスプレーを撒いている様子がはっきりと映っていました。捜査関係者によりますと、外国籍とみられる人物同士の間で何らかのけんかがあり、1人が相手に向けてスプレーをかけて逃走し、周囲にいた一般の買い物客らが巻き込まれたという情報が有力視されています。
現場から逃走した人物は、身長が170センチくらい、紺色のスーツを着た30代くらいの男だったという目撃情報が寄せられています。男は犯行後、スプレーを持ったまま新橋駅方面へと足早に立ち去っており、現在も逃走を続けています。警視庁は、一般市民を多数巻き込んだ極めて悪質な傷害事件として、周辺の防犯カメラの映像をさらに詳しく解析するとともに、逃走した人物の行方を全力で追っています。白昼の銀座を舞台にした今回の異臭騒ぎは、防犯対策のあり方について新たな課題を突きつける形となりました。












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