
米国とイランの戦闘終結に向けた交渉において、双方が合意してから約30日後にホルムズ海峡を開放する暫定合意案が盛り込まれていることが、米メディアなどの報道で明らかになりました。世界経済に深刻な打撃を与え続けているホルムズ海峡の事実上の封鎖が解除される可能性が高まっています。
合意後の最初の30日間で海峡内に敷設された機雷の掃海作業を集中的に実施し、各国の船舶が物理的な脅威なく安全に航行できる状態へと回復させます。作業完了後は、封鎖前と同様に自由な航行が許可される見通しであり、イランは「通航料」の名目での料金徴収は行わない方針を示しています。
さらに、4月上旬に合意された一時停戦措置を60日間延長し、相互に武力攻撃を行わないという約束も合意案に含められました。この60日間の猶予期間を利用して核開発に関する本格的な協議を行う方針で、米国が強く懸念するイラン保有の高濃縮ウランの処分方法などについて、具体的な策を詰める予定です。見返りとして、米国による経済制裁の緩和と、海外で凍結されているイラン資産の解除が段階的に実施されます。実際、イランのモハンマドバゲル・ガリバフ国会議長らは中東の金融拠点であるカタールを訪問しており、制裁解除の条件について水面下で協議を進めているとみられます。
また、戦闘を停止する対象地域にはレバノンも含まれます。イランは戦闘終結の条件として、イスラエルによる親イラン組織ヒズボラへの攻撃停止を要求していますが、イスラエル側はヒズボラの完全な武装解除を求めており、調整が難航しています。こうした中、交渉の仲介役を担っているパキスタンのアシム・ムニール陸軍参謀長は、5月25日に中国の北京で王毅外相と会談を行いました。ムニール氏はこれまでの仲介状況を説明し、「既に合意へ近づいている」との見通しを伝達したと発表されています。
最終合意への道筋と残された課題
合意が間近に迫っているとの楽観的な見方が広がる一方で、イランの最高指導者であるモジタバ師による最終的な承認が不可欠であり、正式な署名に至るかは依然として不透明な情勢です。イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は5月25日の記者会見において、米国との交渉について「我々が議論している多くのテーマで合意に達した事実はある」としつつも、「合意の署名は差し迫っていない」と慎重な認識を示しました。
さらに、米国のドナルド・トランプ大統領は5月24日、自身のSNSを通じて、自国の交渉団に対してイランとの合意を急がないよう指示したことを表明しました。トランプ大統領は「時間は我々の味方だ」として慎重に事態を見極める構えを見せており、マルコ・ルビオ米国務長官も合意には「少し時間がかかる」と言及しています。イスラエルや共和党からの反発も根強く、最終的な文書への署名までには複雑な政治的調整が求められています。












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