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厚生労働省は5月20日、エスエス製薬の勃起不全(ED)治療薬「シアリス」(一般名タダラフィル)について、医師の処方箋なしで購入できる大衆薬としての製造販売を承認したと発表しました。医療用の有効成分を市販向けに転用した「スイッチOTC医薬品」として承認されたもので、国内初の市販のED治療薬となります。発売に向けて現在準備が進められており、具体的な発売時期や価格については今後エスエス製薬から発表される予定です。
市販されるシアリスは、購入時に薬剤師の指導が必ず求められる「要指導医薬品」として発売されます。薬局やドラッグストアの店頭では、18歳以上であることを確認した上で、事前にWEBサイトなどから入力したチェックシートを薬剤師に提示します。服用に関する丁寧な指導を受け、薬剤師から医学的に服用可能と判断された場合にのみ購入できる仕組みです。さらに、オンラインでの購入も可能となります。その場合は、チェックシートの記入内容から服用可能と判定されれば、薬剤師と遠隔で面談を実施し、最終的な薬剤師の判断に基づいてシアリスが自宅等へ発送されます。
医療用医薬品のシアリスは、これまで100カ国以上で使われており、日本国内でも販売開始から約20年が経過している実績のある医薬品です。性行為の1時間前に服用することで陰茎への血流が増大し、勃起を促す効果があります。エスエス製薬によると、日本人男性の約2人に1人がEDの可能性があると示唆されていますが、これまで医療機関への受診をためらうケースが多く見られました。今回の承認により、悩みを抱える人が正規の治療薬にアクセスしやすくなることが期待されます。なお、同社は本製品があくまで勃起の維持をサポートする治療薬であり、いわゆる精力剤や性欲増進を目的とした製品ではないとして、適正な使用を呼びかけています。
偽造薬被害の防止と今後の医療課題への影響
今回の国内初となるED治療薬の市販化は、健康被害をもたらす非正規ルートでの偽造薬購入を防ぐという重要な目的も担っています。これまで、病院での受診を恥ずかしいと感じる心理的なハードルなどから、国内や国外の非正規のWEBサイトを通じてED治療薬を個人輸入するケースが多数報告されていました。しかし、こうした非正規の製品には有効成分が全く含まれていなかったり、安全性が一切保証されていなかったりする偽造薬を購入してしまう危険性が高く、深刻な問題となっていました。
薬局やドラッグストアを通じて安全性が担保された正規の治療薬が入手可能になることで、不適切な偽造薬による健康被害のリスクが大幅に軽減されると見込まれます。エスエス製薬の社長は、今回のOTC類似薬改革を通じた承認について「市販薬活用のきっかけにしたい」と述べており、国が進めるセルフメディケーションの推進にも大きく貢献する姿勢を示しています。今後、処方箋なしで手軽に購入できるようになる一方で、購入者は持病や併用薬に関する正確な情報を薬剤師に伝える必要があり、利用者側の正しい知識と適正な利用モラルが強く求められることになります。












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