
プルデンシャル生命保険は26日、2026年3月期決算を発表しました。社員・元社員による金銭詐取問題を受けた顧客への補償費用として約47億円の特別損失を計上しています。グループ会社のジブラルタ生命保険が計上した約7.6億円を合わせると、補償費はグループ全体で計約55億円に拡大し、経営への打撃は深刻です。
同社は、107人の社員・元社員が1991〜2025年に顧客503人に対して金銭の詐取や借りた金を返さないなどの不正行為を行っていたと1月16日に公表しており、不正に受け取った総額は約31.4億円にのぼります。調査の過程で寄せられた約700件の被害申告や相談のうち、約70件はグループ会社のジブラルタ生命保険に関するものでした。
親会社のプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン(HD)は「将来発生する支払いについて最も適切と考えられる見込み額を計上した」と説明。専門家による補償委員会が今後、補償の金額などを判断するため「確定した補償額を示すものではない」としています。
2026年3月期決算では、売上高に当たる保険料等収入が前年比6.6%減の1兆4549億円、本業のもうけを示す基礎利益が前年比12.6%減の402億円となりました。純利益は前年比52.0%減の282億円となり、再保険の臨時利益が前年度に比べて大きく減少したことも響いています。
また、新規契約の数は販売自粛の影響で前年から23.8%減少しました。再発防止に向けた体制整備のための事業費増加も基礎利益を圧迫する要因となっています。同社は2月9日から販売自粛を開始しましたが、抜本的な構造改革を理由に自粛期間を180日延長し、11月5日まで継続しています。2027年3月期の業績への影響はさらに拡大する見通しです。
被害者救済へ補償委員会を設置 金融庁も立ち入り検査
被害者の救済を最優先に、第三者で構成される「お客さま補償委員会」が設置されました。同委員会は在職中に行われた金銭不祥事について認定された損害を補償するほか、退職後の不祥事についても個別に事情を精査し、補償の必要性を判断します。
金融庁はプルデンシャル生命と同HDに立ち入り検査を行い、営業活動の実態を調査中で、悪質性が高い場合は厳しい行政処分を出すとみられています。
間原寛社長は1月23日の記者会見で「社会の皆さまにご不安とご迷惑をおかけし、心より深くおわび申し上げる」と謝罪し、2月1日付で引責辞任しました。後任には、同じプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン傘下の生命保険会社で社長を務める得丸博充氏が就任。新体制のもと、営業成績に過度に連動する報酬制度の見直しや「基本保証給」の導入など、抜本的な構造改革を急いでいます。







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