
日本の海運大手3社が共同保有する液化天然ガス(LNG)運搬船「Fuwairit(フワイリット)」が、ホルムズ海峡を通過しました。商船三井によると、「Fuwairit」はバハマ船籍のLNGタンカーで、日本郵船や川崎汽船などと共同保有しており、カタール側が用船・運航を担っています。
今年2月末に米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まり、ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となって以降、日本関係船舶が同海峡を通過するのは6例目です。日本のエネルギー輸送にとって重要な前進となっています。
国土交通省の金子恭之大臣は26日の記者会見で、「昨日、日本関係船舶1隻がホルムズ海峡を通過し、これによりペルシャ湾内の日本関係船舶は38隻になった」と説明しました。
封鎖が始まった当初、ペルシャ湾内には日本関係船舶が45隻取り残されていました。しかし、その後段階的に通過例が増え、38隻まで減少しています。国交省によると、当該船舶の乗組員の健康状態に問題はなく、船体にも異常はないとのことです。
ホルムズ海峡は、世界の原油貿易の約3割、LNG貿易の約2割が通過する海上交通の要衝。日本は原油輸入の8〜9割を中東に依存しており、日本のエネルギー安全保障に直結する海域です。
2月末以降、日本郵船・商船三井・川崎汽船の海運大手3社は同海峡の航行停止を決定し、保有船舶を安全な海域で待機させてきました。その後、個別に安全性を確認したうえで段階的に海峡を通過。4月には商船三井が共同保有する別のLNG船や関連会社保有のLPG船も通過しており、今回の「Fuwairit」はこうした流れの中での6例目となりました。
ペルシャ湾内に残る38隻のうち、日本人船員3人が乗船する船舶も1隻含まれています。国交省は、残る船舶の安全確保と順次の脱出に向けて、船社や関係国と連携しながら情報収集と支援を継続するとしています。
エネルギー安全保障と今後の見通し
今回の「Fuwairit」通過は、実務上のリスク管理と輸送継続の両立を模索する動きの一端です。日本の海運大手は、事実上の封鎖が長引く状況下で保険・運賃・乗組員交代手配など多方面にわたるリスクに直面しており、ホルムズ海峡通航の判断は、各社の安全ポリシーと政府との協議を踏まえた慎重なプロセスです。
封鎖が長引けば、LNGや原油の調達コスト上昇を通じて国内の電気・ガス料金にまで影響が及ぶ可能性もあります。政府は海運各社と連携しながら、他海域からの調達分散や備蓄の活用、在庫管理の強化など複数の対策を講じています。しかし、ペルシャ湾内にはなお多くの日本関係船舶が残っており、現地情勢の変化に応じた柔軟な対応が引き続き求められる状況です。
今後、ホルムズ海峡をめぐる緊張が緩和に向かうのか、長期化するのかは不透明で、日本のエネルギー政策と海運戦略にとって引き続き重要な焦点となりそうです。







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