
半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスへの資金流入が続いています。5月27日の東京株式市場では、取引時間中に株価が一時6万7340円まで上昇し、時価総額が36兆円を超える場面がありました。終値は6万550円と前日比で下落したものの、国内企業の時価総額ではトヨタ自動車とソフトバンクグループに次ぐ水準まで浮上。三菱UFJフィナンシャル・グループを上回る場面もありました。
同月21日には前日比7.9%高の5万5340円で取引を終え、時価総額が初めて30兆円台に乗せています。この日の売買代金は3兆円を超える記録的な大商いとなり、ソフトバンクグループに次ぐ時価総額4位の水準です。AIデータセンター向けストレージ需要を取り込むことで業績拡大が続くとの期待から、メモリー関連株への資金流入が加速しています。
業績面では、NAND型フラッシュメモリー価格の上昇とAI需要の急拡大が追い風となっています。2026年3月期の通期決算では売上高が2兆3376億円と前期比37%増を達成しました。さらに、2027年3月期第1四半期の純利益は前年同期比で約47倍の予想が会社側から示されており、成長期待を織り込む形で株価は2024年末比で6倍超まで上昇しています。
好業績を受けてアナリストによる目標株価の引き上げも相次ぎ、JPモルガン証券は8万円、シティグループ証券は7万3000円と大幅に上方修正。証券系メディアでも株価急騰やPER水準を巡る分析が相次ぎ、キオクシアは日本の半導体セクターを象徴する銘柄として注目を集めています。
メモリー・ストレージに広がる期待と警戒感
メモリー市場全体でも、AI関連投資の恩恵が広がっています。NAND型フラッシュメモリーは大量データの保存と高速な読み書きが可能で、AI推論処理を支えるストレージとして需要が高まっています。米マイクロン・テクノロジーは5月26日の米株式市場で時価総額が初めて1兆ドルの大台に乗せました。DRAMやHBMを手がける韓国勢の株価上昇も顕著です。
キオクシアの急成長はメモリー市況の好転とAIインフラ投資の波に支えられている一方、メモリー特有の需給サイクルに伴う変動リスクも指摘されています。投資家の間では「AIブームがどこまで続くのか」「現在の利益水準が一過性に終わらないか」を見極めようとする動きもあり、今後の業績開示やメモリー価格動向への注目が一段と高まっています。
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