ソニー生命、元営業社員4人が顧客14人から約1億2000万円を不正受領 全279万人調査を継続

ソニー生命保険は5月28日、元営業社員4人が顧客14人から総額約1億2030万円を不正に受け取っていたと発表しました。同社は今年3月以降、相次いで金銭不祥事が明らかになっており、4月には金融庁から保険業法第128条第1項に基づく報告徴求命令を受領するなど、行政からの監視も強まっています。
不正の手口は大きく2つに分かれます。1人の元営業社員が2011年から2024年にかけて顧客7人に投資話を持ちかけ、約1億円を受け取っていました。また、別の元営業社員3人は2010年から2025年の間に顧客7人から計約1900万円を借り入れていたことも判明しています。いずれも返金は一部にとどまっており、被害顧客への補償については検討中だとしています。
調査の過程では、申告していなかった顧客10人への不正行為も新たに浮かび上がりました。事前に被害を申し出ていた31人のうち18人の調査が完了した段階でも、こうした未申告分の不正が確認されており、同社が想定する被害の全容はさらに広がる可能性があります。
今回の発表は、同社が2026年4月24日に全契約者を対象とした調査を開始してから初めての中間報告にあたります。ソニー生命は今年初めから複数の金銭不祥事を公表しており、問題の発覚から3年以上にわたって外部への公表が行われなかった経緯が指摘されています。金融庁はこうした経緯を踏まえ、4月30日付で保険業法に基づく報告徴求命令を発出しており、同社は「命令を真摯に受け止め、不正事案の根絶と真にお客さま本位といえる態勢構築に取り組む」とコメントしています。
なお、今回確認された直接的な金銭の受け取り以外にも、社内規程で取り扱いが認められていない投資商品をめぐり、営業社員が顧客を外部の取扱業者に紹介し、顧客が業者に約3150万円を支払っていた事例も別途確認されています。これに対しても同社は弁護士など外部専門家の見解を確認しながら対応を検討しています。
さらに生命保険業界では、プルデンシャル生命保険でも関与社員106人、被害総額31億円という大規模な金銭詐取問題が明らかになっており、ソニー生命との共通点として完全歩合制に近い報酬体系が不正を誘発した可能性が指摘されています。業界全体に対し、管理体制の抜本的な見直しを求める声も強まっています。
279万人の全件調査が継続 補償対応が焦点に
ソニー生命は現在、約279万人の全契約者を対象に、契約状況や金銭面での不審点がないかを確認する全件調査を進めています。この調査は2026年11月末をめどに完了する予定で、進捗状況は9月中旬を目安に発表される見込みです。
不正行為が確認された4人の元営業社員については、在職中の行為に対し社内規定に基づき厳正に処分を行うとしています。一方、調査の過程で新たに判明した未申告顧客10人への補償については「個々の状況を慎重に検討し、弁護士等外部の専門家の見解を確認したうえで真摯に対応を検討する」との立場を示すにとどまっており、被害者への補償の範囲と時期が今後の焦点となります。全件調査が進むにつれ、不正件数および被害総額がさらに拡大する可能性も否定できない状況です。



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