
ソフトバンクグループ(SBG)の株価が急騰し、時価総額がトヨタ自動車を上回って国内首位に浮上しました。6月1日の東京株式市場でSBG株は大幅に上昇し、大引け時点の時価総額は48兆7848億円となり、トヨタの45兆8923億円を上回りました。
トヨタが首位の座を明け渡すのは約22年ぶりとなります。長年「日本企業の顔」とされてきた自動車メーカーを、AI投資を前面に掲げるSBGが逆転した格好です。
今回の株高の直接的な引き金となったのは、SBGが出資する米OpenAIのIPO(新規株式公開)観測です。OpenAI上場に伴う保有資産の価値再評価への期待から投資資金が流入し、株価の急騰につながりました。さらに5月31日に発表したフランスでの大規模AIデータセンター計画も追い風となっています。
同社は総電力容量5ギガワット規模のデータセンターを開発・運営する目的で、最大750億ユーロ(約14兆円)を投じる計画を打ち出しており、投資家の評価を押し上げる材料となりました。
AI関連セクター全体の勢いも、SBG株高の環境要因として意識されています。半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスは、2026年4〜6月期の連結純利益が前年同期比約48倍の8690億円になるとの見通しを公表しました。生成AI向けデータセンター需要が業績を押し上げており、こうしたAI関連銘柄全体への資金流入がSBGを含む銘柄群の上昇を加速させています。
浮上するAI関連企業と日本の課題
AIブームの恩恵を受けているのはSBGだけではありません。半導体メモリーや製造装置など、データセンター向けインフラを担う企業も急速に存在感を高めています。
キオクシアは生成AI普及に伴うNAND型フラッシュメモリー需要の拡大を背景に、今期通期の純利益も過去最高を見込んでおり、日本発のAIインフラ企業として注目を集める存在です。東京エレクトロンなど半導体製造装置メーカーや電力・インフラ関連企業にも、データセンター向け投資拡大の波が押し寄せてきました。
一方で、時価総額が数百兆円規模に達する米エヌビディアなど世界的テック企業との間には、依然として大きな差があります。アジアではTSMCや韓国サムスン電子がAI半導体生産の中核として台頭している状況です。
日本企業が世界市場で存在感を示すためには、AI分野への継続的な投資が不可欠との指摘も強まっています。SBGのフランス投資は、日本企業が海外で攻めの投資を行う象徴的な事例として受け止められました。トヨタからSBGへの「首位交代」は、日本経済の成長エンジンがどこにあるのかを問い直す出来事といえるでしょう。












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