トランプ大統領、レバノン侵攻巡りネタニヤフ首相を激しく罵倒 イランとの停戦交渉は停止へ

アメリカとイスラエルの国旗

アメリカのトランプ大統領が6月1日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、レバノンへの軍事侵攻を拡大させていることに対して「正気じゃない」などと激しく非難したことが、複数のメディア報道により明らかになりました。トランプ氏は、イスラエル軍が親イラン武装組織「ヒズボラ」への攻撃をエスカレートさせている点について、「一体、何をやってるんだ」「クレイジーだ」と怒鳴りつけ、大規模な攻撃を直ちに控えるよう強く迫ったとされています。

さらに、トランプ大統領は電話協議の中で「わたしがいなければ、あなたは刑務所に入っているだろう」と断じました。これは、ネタニヤフ首相が2019年に収賄罪などで起訴され公判中であることや、2025年にトランプ氏がイスラエルのヘルツォグ大統領に対して恩赦を求めた経緯を引き合いに出し、強い不満をあらわにしたものです。また、「今や誰もがあなたを憎んでいる。そのせいで誰もがイスラエルを憎んでいる」と述べ、軍事行動の拡大が国際社会における同国の孤立を決定的にしていると厳しく警告しています。

この激しい怒りの背景には、アメリカとイランの間で進められている戦闘終結に向けた停戦交渉の存在があります。トランプ大統領は、イスラエルの単独行動がこの交渉を完全に破綻させかねないと強い危機感を抱いています。事態を収拾するため、トランプ氏は仲介者を通じてヒズボラとも極めて異例の協議を行い、「双方が互いに攻撃しないことに同意した」と自身のSNSで主張しました。さらに、イランとの覚書合意も今後1週間でまとまる可能性があると強調し、早期の事態沈静化を図っています。しかし、ネタニヤフ首相は電話会談後もレバノン南部での軍事作戦を計画通りに続行し、攻撃がやまなければ首都ベイルートを攻撃すると警告するなど、両国の溝は埋まっていません。

イランは交渉停止で反発 軍事衝突拡大の懸念高まる

イスラエルによるレバノンへの攻撃拡大を受け、イラン政府は強く反発しています。イランは、アメリカとの戦闘終結に向けた「覚書」での合意を目指す交渉を一時停止したと表明しました。イラン側は、交渉再開の絶対条件としてレバノンおよびパレスチナ自治区ガザでの軍事行動の即時停止、ならびに駐留するイスラエル軍の完全撤収を強く要求しています。

さらにイランのガリバフ国会議長は、攻撃が続く場合は直接対決に臨む姿勢をSNSで示唆し牽制を強めました。また、対抗措置としてエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の「完全封鎖」も選択肢に挙げられています。これに対しトランプ氏は、イランの非核化と海峡の即時開放を絶対条件として提示し、軍事的判断も辞さない構えです。アメリカの仲介による停戦実現か、中東全域を巻き込んだ全面衝突か、極めて予断を許さない状況が続いています。

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