サプリ規制、錠剤とグミで対応を分ける方針 GMP完全義務化は2026年9月から

サプリ規制、錠剤とグミで対応を分ける方針 GMP完全義務化は2026年9月から

政府は、健康目的で摂取されるサプリメントについて法令上の位置づけを明確化し、製造・品質管理に共通ルールを課す新たな枠組みの導入を進めています。中心となっているのは、錠剤やカプセル剤といった「いわゆるサプリ形状」の製品について、医薬品で用いられてきたGMPに基づく製造管理と工程記録の整備を義務付ける構想です。こうした議論は、紅麹サプリによる健康被害を契機に、消費者庁や厚生労働省が機能性表示食品制度や健康食品全体の安全対策を見直す流れの中で加速してきました。

一方、国内市場ではグミやチョコ、ゼリーなど菓子に近い形状のサプリも急増しており、これらを錠剤・カプセルと同列に規制対象とするかどうかが大きな論点になっています。2026年4月から5月にかけて開かれた消費者庁の食品衛生基準審議会 新開発食品調査部会では、サプリの新たな定義案と併せて、GMP義務化の対象を当面は錠剤・カプセル剤などに絞る一方、グミやチョコ、ゼリー形状の製品は「当面の間、義務化の対象から除外する」方針案が示されました。この背景には、グミやゼリー型サプリの多くが既存の菓子製造ラインで生産されており、短期間でGMP準拠設備への投資を求めると中小事業者への負担が大きいという事情があります。部会では、グミなどについては自主的な品質管理の強化を求めつつ、将来的な義務化も視野に議論を続けるべきだとの意見も出ているとされています。

こうした動きは、サプリメント市場が1兆円規模に達しながらも、これまで包括的な法的定義や製造基準がなかったことへの「空白」を埋める試みでもあります。紅麹問題で健康被害が顕在化したことで、消費者の不安が高まる一方、日常的な健康維持やセルフメディケーションの手段としてサプリを活用する生活者も多く、規制と利用環境整備のバランスが問われています。今後、錠剤・カプセルに先行して義務化が進むGMP対応が、どこまで安全性向上と信頼回復につながるかが注目されます。

2026年8月末までの移行期間 機能性表示食品のGMPは9月1日から完全義務化

機能性表示食品や一部のサプリメントについては、すでにGMP義務化を含む制度改正が告示されており、そのスケジュールも明確に示されています。機能性表示食品制度の見直しでは、健康被害情報の報告義務や表示内容の見直しとあわせて、特に錠剤・カプセルなどサプリメント形状の製品に対し、GMPに基づく製造管理を行うことが新たな要件として組み込まれました。現行ルールから新ルールへ移行するための経過措置として、事業者側には一定の猶予期間が設けられています。

この経過措置は2026年8月31日までとされており、それまでに製造所のGMP対応やパッケージ表示の見直しを完了させることが求められます。2026年9月1日以降は、移行期間が終了し、新しい基準への完全適合が義務となるため、実務上はこの日付が「GMP完全義務化」の境目となります。とりわけ、自社ブランドで機能性表示食品を展開している事業者やOEMで錠剤・カプセル型サプリを受託製造している工場にとっては、工程管理、記録保存体制、品質保証体制をこのタイミングまでに整えることが必須となります。

一方、今回の議論で当面GMP義務化の対象から外れるとされたグミやチョコ、ゼリー型サプリについても、将来的に対象に含めるかどうかが改めて検討される可能性があります。事業者側としては、法的義務の有無にかかわらず、紅麹問題以後高まっている消費者の安全志向を踏まえ、自主的にGMP相当の管理を取り入れるかどうかが競争力にも影響してくるでしょう。

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