出生数67万人で過去最少 少子化に歯止めかからず

出生数67万人で過去最少 少子化に歯止めかからず

厚生労働省が6月3日に公表した2025年の人口動態統計(概数)によると、日本国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は67万1236人となり、統計開始以降で過去最少を更新した。前年の2024年からは1万4937人(2.2%)減少し、出生数の減少は長期的な傾向が続いている。

女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率も1.14と、前年から0.01ポイント低下し、過去最低を更新した。出生数と出生率はいずれも10年連続で減少しているが、今回の減少幅は近年と比べてやや縮小した。

減少幅が縮まった背景には、1990年代に出生数が年間約120万人前後で推移していた世代が現在25〜35歳となり、出産可能年齢人口の減少が一時的に下げ止まっていることがあるとみられる。ただし、少子化の基調自体に大きな変化は見られず、人口減少の進行に対する懸念は依然として強い。

都道府県別では、出生数が増加したのは東京都、富山県、石川県、香川県の4都県にとどまった。一方、全国的には減少が続き、地域間の人口動態の差も浮き彫りとなっている。

また、今後の出生数に影響を与える婚姻数は48万9119組と、前年から4027組増加し、2年連続で増加に転じた。平均初婚年齢は男性が31.0歳、女性が29.7歳で、いずれも前年を下回り、晩婚化の進行に一部変化が見られる。

出生数は2024年に初めて70万人を下回り、今回さらに減少した。少子化の進行は社会保障制度や労働力確保に直結する課題であり、政府の対策の実効性が改めて問われている。

婚姻増も回復には課題

婚姻数が増加に転じたことは将来的な出生数の下支え要因とみられるが、出生数の回復につながるかは不透明だ。結婚から出産までの期間や、子どもを持つかどうかの選択は多様化しており、単純な婚姻増が出生増に直結する状況にはない。

実際、出生率は一部の県で前年を上回ったものの、全国的には低水準が続いている。特に都市部では晩婚化や未婚率の高さ、子育てコストの増大など複合的な要因が指摘されている。

少子化対策としては、経済的支援の拡充に加え、働き方改革や保育環境の整備など、子育てと仕事の両立を支える政策の実効性が鍵を握る。人口構造の変化が加速する中、より包括的な対策が求められている。

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