日経平均株価、一時3100円超の大幅下落 AI半導体株売りと米国利上げ観測が重荷に

6月8日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅に3日続落し、終値は前週末比2563円52銭安の6万4024円60銭で取引を終えました。取引時間中の下げ幅は一時3100円を超え、終値としての下げ幅は今年2番目、史上5番目の大きさとなりました。
5日に発表された5月の米雇用統計が市場予想を大きく上回ったことで、米国での利上げ観測が高まりました。これを受けて米長期金利が上昇し、主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が10%安と急落しました。東京市場でもこの流れを引き継ぎ、これまで相場を牽引してきた人工知能(AI)や半導体関連株に売りが殺到しました。
個別銘柄では、ソフトバンクグループが一時11%安となったほか、キオクシアホールディングスが12%安、さらに指数寄与度の高い東京エレクトロンやアドバンテストも大きく値を下げ、相場全体を下押ししています。大和証券の阿部健児チーフストラテジストは「かなり急ピッチで上げた銘柄ほど売りが目立っている」と指摘しており、過熱感が意識されていたハイテク株の利益確定売りが急加速した形です。さらに、米スペースXの新規株式公開(IPO)を見据えた換金売りや資金確保の動きが影響しているとの見方もあります。
また、中東情勢の緊迫化も投資家心理を冷やしました。7日にイランがイスラエルに対してミサイル攻撃を実施したとの報道を受け、地政学リスクへの警戒感が急拡大しました。原油高に伴う資源価格の上昇が日本企業の業績にとって逆風になるとの見方も広がり、海外投機筋による株価指数先物への売りや、個人投資家の持ち高解消売りが断続的に出たことも記録的な株安の要因となっています。相場の変動率が高まる中、リスクパリティ戦略をとるファンドからの売りも重なり、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時42台へと急上昇しました。
アジア市場への波及と内需関連株への資金シフト
東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、終値は96.71ポイント安の3852.38となりました。東証プライム市場の約7割の銘柄が値下がりする全面安の展開です。
株安の連鎖は日本にとどまらず、アジア全体に波及しています。韓国株式市場では総合株価指数(KOSPI)が一時前週末比9%安まで急落し、サーキットブレーカーが発動される事態となりました。サムスン電子などの半導体株が大幅に下げたほか、台湾加権指数やベトナムのVN指数も下落しています。
一方で、これまで相場の上昇局面で出遅れていた内需関連やディフェンシブ銘柄には資金が流入しています。イオンやセブン&アイ・ホールディングスといった小売株が買われたほか、任天堂、東宝、カプコンなども上昇しました。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員は「景気が総崩れするとは考えにくく、全面的なリスクオフではない」と分析しており、ハイテク株から出遅れ銘柄へのセクターローテーション(資金シフト)が起きている側面も浮き彫りになっています。












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