日銀、6月会合で1.0%利上げへ 物価上振れリスクを優先し国債買い入れ減額は27年4月に停止検討

日銀、6月会合で1.0%利上げへ 物価上振れリスクを優先し国債買い入れ減額は27年4月に停止検討

日本銀行が15〜16日に開く金融政策決定会合で、政策金利を現在の0.75%程度から1.0%程度へ引き上げる方針で調整していることが明らかになりました。 利上げが実現すれば、昨年12月以来およそ半年ぶりであり、政策金利が1.0%に達するのは1995年以来31年ぶりの水準です。 日銀はこれまでの会合で0.75%の金利水準を維持しつつ、中東情勢の緊迫化に伴う原油高が物価に与える影響を慎重に見極めてきましたが、直近では物価の上振れリスクをより強く意識する姿勢を鮮明にしています。

植田和男総裁は6月初旬の講演で、先行き不透明な環境でも「物価の上振れリスクが高まると判断される場合は、利上げの是非についてしっかりと議論する必要がある」と述べ、今月会合での利上げ検討を示唆していました。 日銀は2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げて以降、3会合連続で据え置いてきましたが、4月の会合時点からは原油高に起因する物価上振れへの警戒を展望リポートなどで繰り返し強調してきました。 中東情勢の緊迫が長期化する中、エネルギー価格の高止まりが企業の価格転嫁を通じて基調的な物価上昇率を押し上げているとの認識が広がっており、日銀内では、対応が遅れれば後に大幅な利上げを余儀なくされかねないとの懸念も強まっています。 こうした判断を踏まえ、日銀は今回、成長に配慮しながらも物価の上振れリスクを優先し、追加利上げに踏み切る方向です。

国債買い入れ減額は27年4月に停止案 異次元緩和の副作用と市場安定を両立模索

今回の会合では、国債買い入れの減額ペースと今後の計画も大きな論点となります。日銀は、2024年8月から異次元緩和で積み上がった国債保有残高を圧縮するため、月間の買い入れ額を段階的に減額しており、2025年に策定した計画では2027年1〜3月期に月2兆1000億円程度まで減らす方針を示していました。 そのうえで、2026年4月以降は四半期ごとの減額幅を4000億円から2000億円に圧縮し、市場の安定に配慮しながら減額を続けることを決めています。 こうした流れの延長線上で、2027年4月以降は四半期ごとの減額を停止し、月2兆1000億円程度の買い入れ額を維持する案が有力視されています。

背景には、日銀による大量購入で国債市場の機能が損なわれたとの反省があります。長年の異次元緩和の結果、日銀の長期国債保有比率は発行残高の約54%に達したとされ、市場の流動性や金利の価格発見機能の低下が指摘されてきました。 このため日銀は2024年以降、国債買い入れ減額を通じて「市場を通じた自由な金利形成」の回復を図ってきましたが、一方で、2025年以降は長期金利が一時的に急上昇する場面も増え、債券市場の不安定さが意識されています。 今年5月には、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時2.8%台と約29年半ぶりの高水準を付けるなど、インフレや財政拡大への懸念を映した金利上昇も目立ちました。

日銀としては、国債買い入れの減額方針を突然転換するのではなく、2027年3月まで既定の減額を続けたうえで、4月以降は減額を停止して買い入れ額を横ばいにすることで、市場の需給悪化懸念を和らげたい考えです。 もっとも、過去に買い入れた国債の償還が進むことで日銀保有残高は中長期的に減少し続けるため、「異次元緩和からの出口」という大きな流れは維持されます。 国債市場の機能改善と価格変動の安定という二つの目標の間で、日銀がどのようなバランスを取るのか、6月会合の決定内容と植田総裁の記者会見が国内外の市場関係者から注目されています。

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