セブンイレブン、電通・サイバーエージェントと提携しリテールメディア事業を本格化

株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社電通グループ、および株式会社サイバーエージェントの3社は2026年6月、小売り広告と呼ばれるリテールメディア事業に関する業務提携を行い、新たな合弁会社を設立することを発表しました。新会社では、全国に2万店を超える店舗網を持つセブン-イレブンの利用客の購買データを電通グループが高度に分析し、店舗内に設置されたデジタルサイネージ(電子看板)を通じて効果的な販促策や広告配信を実施します。また、デジタル広告運用やクリエイティブ制作に強みを持つサイバーエージェントが販促コンテンツの制作などで協力し、顧客の行動傾向に合わせて最適なタイミングで購買につながる広告を配信する仕組みを整えます。
セブン-イレブンは、店舗を単なる商品の販売拠点からメディアへと進化させる方針を掲げています。同社はこれまでにも、デジタルサイネージの設置店舗を約3500店規模へと大幅に拡大する方針を掲げるなど、事業基盤の整備を進めてきました。さらに、自社経済圏内にとどまらず、外部企業への購買データの販売なども視野に入れています。このような取り組みを通じて、小売り広告による売上高を200億円規模へと拡大し、コンビニエンスストア事業を中心とした成長戦略における新たな柱として育成していく考えです。
近年、広告市場全体において、従来のメディア事業者以外のサービスやプラットフォームが新たな広告媒体として機能するケースが増加しています。特に、電子商取引(EC)サイトや実店舗の小売ネットワークを活用したリテールメディア分野は、今後の急拡大が確実視されています。この潮流を捉え、電通はリテールメディアの開発・活用を専門とする「リテールマーケティング局」を立ち上げ、豊富な顧客データに基づく広告運用から店頭販促までを一貫して支援する体制を強化しています。
今回の提携における各社の具体的な役割として、株式会社セブン-イレブン・ジャパンは全国2万店超の店舗網や購買データ、店舗内に設置されたデジタルサイネージを提供します。また、株式会社電通グループは顧客データの高度な分析をはじめ、効果的な広告運用や販促策の立案、全体支援体制の構築を担います。さらに株式会社サイバーエージェントは、最適なタイミングでの広告配信技術を提供するとともに、販促コンテンツやクリエイティブの制作を担当します。
コンビニ各社の小売り広告戦略と今後の展望
国内のコンビニ業界において、このリテールメディア領域で先行しているのが株式会社ファミリーマートです。同社はすでに、国内最大規模となる約1万店に店内のデジタルサイネージを設置済みであり、店舗空間とデジタル広告を融合させた「メディアコマース」戦略を本格化させています。自社の決済アプリを利用して、食品メーカーなどの独自広告や割引クーポンを表示し、実店舗のリアルな体験と連動させる仕組みを構築しています。
ファミリーマートは2026年2月、現在100億円程度の広告関連売り上げを、2030年度までに4倍の400億円へと引き上げる目標を発表しました。従来は日用品メーカーが中心だったコンビニ広告ですが、今後は不動産や金融など幅広い業種の参入が見込まれます。セブン-イレブンが強力な連合体制で猛追する中、小売業各社によるリテールメディアの主導権争いは今後さらに激しさを増していくと予想されます。

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