飲酒は「節酒」から「控える」へ 国立がん研究センターがん予防指針を刷新

飲酒は「節酒」から「控える」へ 国立がん研究センターがん予防指針を刷新

国立がん研究センターの研究班は、「科学的根拠に基づくがん予防法5+1」の内容を見直し、飲酒に関する推奨を「節酒する」から「飲酒をひかえる」へと改めました。
近年の疫学研究で、アルコールは少量であってもがんの発症リスクを高めることが示され、「安全な飲酒量は存在しない」と評価されたことが背景にあります。

同センターは、たばこ・お酒・食生活・身体活動・体重・感染症の六つを主要なリスク要因と位置づけ、最新の知見に基づき順次ガイドラインを更新してきました。
今回の改訂では飲酒に加え、体重管理の指標であるBMI(体格指数)についても見直し、男性の推奨上限を従来の「27」から「25」へ引き下げ、男女ともに「21~25」を目標範囲とする運用が示されています。日本人ではBMIが22前後の人が最も病気になりにくく長生きしやすいとされており、世界保健機関(WHO)もBMI25以上を過体重、30以上を肥満と定義しています。

研究班は、BMIが高くなるほどリスクが段階的に上昇するタイプのがんがあることや、生活習慣の改善でリスクを減らせる余地が大きいことを踏まえ、がん予防の観点からより厳格な体重管理を呼びかけています。
同センターは公式サイト「がん情報サービス」などで冊子や図表を公開し、一般の人が日常生活に取り入れやすい形で予防情報を発信していく方針です。

少量でもリスク上昇「飲まないのがベスト」 見直される生活習慣と今後の課題

改訂されたがん予防法5+1では、飲酒に関するメッセージが「ほどほど」から「控える」へと一段と強い表現に変わりました。
国立がん研究センターは、飲酒量が増えるほど大腸がんや乳がん、胃がんなどのリスクが高まることに加え、日本人では比較的少量の飲酒でも胃がんリスクが有意に増加する可能性があると報告しています。
日本癌学会も「ここまでなら安全といえる飲酒量は明らかでない」とし、少量の飲酒でもリスクが高まることを指摘しており、がん予防の観点からは「飲まないことが望ましい」とする認識が共有されつつあります。

一方、BMIの推奨範囲を21~25とした新たな整理は、従来中高年男性の上限を27としてきた自治体などの啓発内容とも整合を取り直す動きにつながりそうです。
体重については「太りすぎだけでなく、やせすぎもリスクになりうる」として、適正体重の維持を中長期的な目標として掲げています。
研究班は、禁煙や受動喫煙の回避、減塩や野菜・果物の摂取、日常生活での身体活動量の確保、感染症ワクチンや検査の活用など、6つの要因それぞれで具体的な行動を示し、「組み合わせることでがんリスクを大きく下げられる」と説明しています。
国立がん研究センターは、今後も新たなエビデンスを踏まえて内容を更新するとしており、最新の指針をどう生活習慣の見直しにつなげるかが、個人と社会の両レベルで問われています。

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