
6月11日、イランの軍事作戦を統合指揮するハタム・アル・アンビヤ中央本部は、アメリカ軍による度重なる攻撃への報復として、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の完全封鎖を宣言しました。アメリカとの戦闘終結に向けた交渉が難航する中、イラン側は安全が確保されていないとして、タンカーや商船を含むすべての船舶に対して同海峡の通航を禁止すると発表し、通航を試みようとする全船舶を攻撃の標的にすると強く警告しています。
実際に、イランの精鋭軍事組織である「革命防衛隊」は同日、ホルムズ海峡を不法に通航しようとした2隻の船舶を攻撃したと主張しました。また、報復措置は海上にとどまらず、革命防衛隊は米軍の戦闘機に対し防空ミサイルを発射。さらに、アメリカ海軍第5艦隊司令部が置かれているバーレーンに対しても無人機(ドローン)による攻撃を実施したと発表しました。現時点で被害などの詳細な情報は明らかになっていませんが、イラン側はアメリカ側の侵略行為に対して徹底抗戦する構えを強調しています。
事態の引き金となったのは、アメリカによる10日の新たな一連の軍事攻撃です。アメリカのトランプ大統領は、イランの交渉担当者らが時間を稼ぎアメリカを欺いていると非難し、イランの橋や発電所に新たな攻撃を命じる可能性を示唆していました。その結果、アメリカ中央軍はイラン南部ホルムズガン州の防空施設やレーダー、無人機の指揮統制設備などを標的とした攻撃を開始しました。これを受けてイランのメディアは、首都テヘラン郊外の空港で防空システムが作動し、南部で複数の爆発音が聞こえたと報じています。
先行き不透明な戦闘終結協議と世界経済への懸念
アメリカ中央軍は一連の作戦を「イランの継続的な攻撃への対応」であり自衛目的だと説明していますが、トランプ大統領が再攻撃に踏み切った背景には、現在膠着状態にある戦闘終結に向けた協議を武力によって打開したいという狙いがあるとみられています。
しかし、この強硬策に対してイランの軍事当局は、「アメリカによるいかなる侵略にも断固として対応する」との声明を発表し、徹底抗戦の構えを崩していません。両国の激しい軍事的応酬により停戦に向けた合意の見通しは依然として極めて不透明なままです。
ホルムズ海峡は中東の産油国が原油を輸出するための大動脈であり、この海峡の封鎖が長引けば、エネルギー供給の途絶により日本を含む世界の経済や金融市場に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。アメリカ軍とイラン軍の直接的な衝突が激化する中、国際社会はさらなる事態の悪化を防ぐための対応を迫られています。












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