
6月11日の東京株式市場で、日経平均株価は小幅に反発して取引を終えました。朝方は、米中央軍がイラン国内の標的を攻撃したと発表したことを受け、中東情勢の悪化を懸念した売り注文が優勢となりました。さらに、前日の米国市場でハイテク株主体の指数などがそろって軟調となった流れも引き継ぎ、日経平均株価は一時、前日終値より1800円超値を下げました。取引時間中としては、約3週間ぶりに心理的節目とされていた6万3000円を割り込む荒い値動きとなりました。
しかしながら、その後は急速な切り返しを見せます。下値のめどとされていた水準を一時下回ったことで、市場では割安感が出た銘柄を買い戻す動きが強まり、平均株価はプラスに転じる展開となりました。全体的には米国とイランの戦闘激化を受けて売られる銘柄も多くありましたが、半導体関連株などに値頃感からの買いが入り、相場全体を下支えしています。最終的な日経平均株価の終値は前日比38円00銭高の6万4217円27銭と小幅なプラスを確保しました。一方で、東証株価指数(TOPIX)は前日比17.25ポイント安の3830.35と続落して取引を終えています。
出来高は約24億1485万株に上りました。東証プライム市場における全体の騰落割合を見ると、値上がりが全体の34%であったのに対し、値下がりは63%を占めており、個別銘柄の数で見れば依然として下落が目立つ状況となっています。業種別の動向としては、輸送用機器、証券、非鉄金属、建設など幅広いセクターで売りが先行した一方、原油価格上昇の恩恵を受けやすい鉱業や、景気動向に左右されにくい食料品などのセクターには資金が流入し、明暗が分かれる結果となりました。時間外取引での米国株先物が底堅く推移したことや、近隣アジア市場の下げ渋りも、投資家の心理的な支えとして機能しました。
メジャーSQと中東情勢の行方が市場の鍵に
相場の乱高下の背景には、あすにメジャーSQ(特別清算指数)の算出を控えていることも影響しています。需給の不安定化を警戒した手控えムードが市場全体に広がっており、一時的な価格変動が増幅されやすい環境にありました。
こうした不透明感の中でも、AIや半導体関連銘柄の強さが際立っています。主力株の中でも、東京市場で影響力が大きい半導体関連銘柄は朝方こそ売られましたが、その後は強い買い戻しが入りました。具体的には、東京エレクトロンやキオクシアホールディングス、太陽誘電といったハイテク関連企業が軒並み大きく上昇し、指数を牽引しました。市場の専門家からは、中東情勢への警戒感は根強いものの、これまで行われていたAI関連株のポジション調整が一旦完了し、押し目買いの好機として再び資金が向かっているとの見方が示されています。また、新興企業向けの東証グロース市場250指数も小幅ながら反発しており、成長期待の強いセクターへの資金還流が確認されています。
中東情勢を巡る緊張緩和への期待は後退しており、事態の悪化が企業業績の重荷となるとの見方は根強く残っています。今後も地政学リスクの動向や海外市場の動向をにらみながら、方向感を探る神経質な展開が続くことが予想されます。
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