
米宇宙企業スペースXが日本時間12日夜、米ナスダック市場に上場し、新規株式公開(IPO)による調達額は最大750億ドル(約12兆円)に達する見通しです。電気自動車(EV)メーカーのテスラなどで知られるイーロン・マスク氏が率いる同社は、再利用型ロケットや衛星通信「スターリンク」を軸に宇宙インフラを拡大し、AI向け計算資源の提供にも乗り出しています。
実際、アンソロピックとは、傘下のxAIが運用するデータセンター「Colossus 1」の計算資源活用に関する契約を締結しており、AI企業との連携でインフラ事業としての存在感も高めています。
公開価格は1株135ドルに設定され、上場時の時価総額は1兆7500億ドル規模と算出されており、テスラやメタ・プラットフォームズを上回る規模です。投資家からの需要も旺盛で、公募・売り出し株に対する注文はすでに募集額を大きく上回り、個人投資家だけで1000億ドル超の需要が集まっています。
ナスダックは指数「ナスダック100」への初期組み入れを可能にする特別ルールを設けるなど、市場側も大型の「宇宙×AI銘柄」を積極的に受け入れる姿勢を示しています。
AI事業は先行投資負担が重く、収益化の遅れを指摘する声もあり、ロケット・衛星・AIの三本柱がどこまでバランス良く成長できるかが、IPO後の株価を決める重要なポイントです。さらに議決権の大半をマスク氏が握る支配構造や、ロックアップ解除後に株主の売りが出やすいとの見方もあり、個人投資家にとっては成長ストーリーとガバナンス・リスクの両方を見極める姿勢が求められています。
アンソロピックとオープンAIも続く、巨大IPOの波
スペースXのデビューを皮切りに、生成AIのアンソロピックとオープンAIも米証券取引委員会(SEC)にS-1草案を非公開で提出し、大型上場の準備を進めています。アンソロピックは2026年6月1日に非公開提出を公式に確認しており、直近の資金調達時の評価額は約9650億ドル(約154兆円)に達しました。
オープンAIも6月8日前後にSEC申請手続きを進めたと伝えられており、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど大手金融機関が引き受け業務を支援しているとされています。
AI開発では計算資源の確保が競争力の源泉となっています。3社の大型IPOが実現すれば、単年度の世界IPO調達額を塗り替える規模になるとの見通しです。ただし、AI投資競争の長期化で投資家心理が急速に冷え込む可能性も否定できません。スペースXの初値は2026年のIPO相場の行方を占う最初の一手として注目されています。



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