
米政府高官やトランプ米大統領は、米国とイランの戦闘終結に向けた合意文書案について、数日以内に署名する可能性があることを明らかにしました。約3か月に及んだ激しい軍事的衝突を経て、両国の交渉は現在、大詰めの段階を迎えています。米政府高官は、最終的な合意に至る確率は85%程度との認識を示し、イランの政権内で権限を持つ関係者の大半が署名を望んでいるものの、全員が賛成しているわけではないと説明しています。
覚書の内容には、イランの核兵器開発計画の解体や、濃縮ウランを現地で処理した後の国外搬出などが含まれる見通しです。また、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の即時開放や、米軍が実施しているイラン関連船舶や港湾に対する海上封鎖の解除も明記されます。米国側は、署名直後の段階ではイランに経済的利益を即座に与えない方針です。合意内容が確実に履行されているかを厳格な査察制度を通じて確認した後、資産凍結の解除や制裁の緩和を含む経済的圧力からの解放に踏み切る考えを示しました。署名後は60日間の交渉期間を設け、残された争点についての詳細な協議を継続する方針とされています。
この動きに関連して、両国の仲介役を務めるパキスタンのシャリフ首相は6月12日、自身のSNSにおいて、最終文書について合意に達したと投稿しました。「今ほど和平に近づいたことはない」と強調し、和平合意を妨害しようとする勢力による偽情報キャンペーンへの警戒を呼びかけつつ、次の段階に向けた両国との調整作業を進めていることを明らかにしています。イランのバガイ報道官も、合意文書の内容についてイラン側が最終調整中であり、関係機関による会合が開かれていると伝えるなど、双方で合意成立に向けた環境整備が加速しています。これに先立ち、トランプ米大統領は、欧州のスイスで今週末にも覚書に署名する見通しを示しており、署名式には米国からバンス副大統領が出席する可能性があるとしています。
イラン国内の主張と残された課題
一方、交渉が最終段階にあるものの、どこまで溝が埋まったかは依然として見通せない面があり、双方の主張には隔たりが残されています。イランのアラグチ外相は12日夜に国営テレビの番組に出演し、米国との覚書は14項目に及ぶとした上で、合意文書への署名は「双方が遠隔で署名し、発表する」と述べており、対面での署名式を想定する米国とは見解が異なります。
さらに、アラグチ外相は核問題については第1段階の覚書では議論しないとの認識を示しました。また、ホルムズ海峡はイランとオマーンの共同管理下に置かれるとし、船舶が海峡を通航する際には課金となるサービス料を徴収するのは当然の権利であると改めて強く主張しています。イラン国内の革命防衛隊に近い強硬派メディアからは、こうした妥協の動きに対し「曖昧さは国民の利益にならない」と警戒・批判する声も上がっており、完全な合意の成立に向けては不透明感が漂っています。










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