JAL客室乗務員の飲酒で便遅延 国交省が厳重注意、全役員処分と懲戒解雇で責任問う

JAL客室乗務員の飲酒で便遅延 国交省が厳重注意、全役員処分と懲戒解雇で責任問う

日本航空(JAL)が国内線で発生した客室乗務員の飲酒問題を受け、国土交通省から行政指導にあたる厳重注意を受けました。 問題となったのは、5月下旬の広島発東京・羽田行きの便で、乗務前日に女性客室乗務員2人が社内規定の基準を超えて飲酒し、交代要員の手配に時間を要したことで出発が約40分遅延した事案です。 国交省は、客室乗務員がアルコール検査で陽性反応が出ていたにもかかわらず、当初の会社側への説明で事実を隠し、虚偽の報告を行った点を重く見ました。 また、乗務の可否判断に時間を要し、安全管理システムが十分機能していなかったとして、再発防止策を7月17日までに提出するようJALに求めています。

JALは、この飲酒事案に関与した50代の女性先任客室乗務員を懲戒解雇とし、同席していた30代の女性客室乗務員を出勤停止の懲戒処分としました。 国交省によれば、2人は滞在先ホテルで社内規定が定める乗務前の飲酒制限時間を超えて飲酒していたうえ、その後の社内調査で虚偽の説明を行い、事案の隠蔽を図ったとされています。 同便は、日本航空の国内線として運航される広島発の定期便で、出発の遅れにより乗客にも影響が及びました。 JALは「極めて重く受け止め、深くおわびする」とコメントし、社内規定の遵守徹底とアルコール検査体制の見直しに取り組む姿勢を示しています。

社長含む全役員の報酬減額 飲酒対策と安全文化の再構築が焦点に

今回の厳重注意を受け、日本航空は経営陣の責任も明確化しました。鳥取三津子社長は月額報酬の30%を2カ月減額し、安全統括管理者を務める中川由起夫・常務執行役員と客室本部長の中野淳子・執行役員については、月額報酬の20%を1カ月減額する処分としています。 さらに、社外取締役を含む他の全取締役と全執行役員についても、月額報酬の10%を1カ月減額すると公表し、組織全体としてガバナンスの不備を反省する姿勢を打ち出しました。

国交省は、JALに対し飲酒対策を含む安全確保の意識徹底や、アルコール検査体制の再構築などを柱とした再発防止策を文書で報告するよう求めています。 JALはすでに、アルコール検査のモニター体制の強化や、日常的に飲酒習慣のない社員も含めた教育・啓発の徹底などを検討しているとし、安全管理システム全体の信頼回復が急務となっています。 パイロットの飲酒不祥事が相次いだ過去の行政指導に続き、今回は客室乗務員の事案で再び厳重注意を受けたことで、航空会社としてのコンプライアンスと安全文化の再構築が改めて問われている状況です。

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