
新型主力ロケット「H3」6号機が6月12日午前9時53分59秒、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられ、機体は所定の軌道投入に成功しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発するH3は、H2Aロケットの後継機です。
今回の6号機は、打ち上げ価格の半減を目指した初の低コスト型「30形態」の試験機。液体燃料の主エンジン(LE-9)を3基搭載し、従来機で用いられてきた固体ロケットブースターを搭載しない構成とすることで、部品点数の削減や運用の効率化を図っています。
6号機には性能確認用ペイロード(VEP-5)と、東京科学大学や静岡大学などの国内大学・民間企業、フランスのUnseenlabs社も加わった超小型衛星6基が搭載されました。
東京科学大学の「うみつばめ(PETREL)」と静岡大学の「STARS-X」は地球約576キロ上空の太陽同期軌道で、それぞれ海洋・地上観測や宇宙テザーを用いた技術実証に取り組む計画です。打ち上げから約16分後、ロケットは各衛星を段階的に分離し、すべての軌道投入が確認されています。
今回の飛行は、2025年12月22日のH3ロケット8号機打ち上げ失敗から約半年ぶりとなる再起の試みでした。8号機の失敗原因は、衛星をロケットに固定する衛星搭載アダプタ(PSS)の製造時に生じた内部剥離が、飛行中の衝撃で広がり衛星が脱落したためと特定されています。
6号機では必要な補修をPSSに施したうえで飛行に臨み、信頼性回復と低コスト構成の実証という二つの課題に同時に向き合うフライトとなりました。JAXAの有田誠プロジェクトマネージャーは記者会見で「短いようで長かった半年だった」と振り返り、今回の成功が今後の連続打ち上げや受注拡大につながるとの期待を示しました。
打ち上げ費用半減へ 国際受注市場での巻き返し狙い
H3ロケットは、1回あたり約100億円とされるH2Aの打ち上げ費用を半減させ、約50億円規模を目標に掲げることで、国際商業打ち上げ市場での競争力強化を目指しています。もっとも、世界的な物価高騰の影響もあり、目標達成は容易でないとの見方もあります。
今回の「30形態」は整備の簡素化やコスト削減が期待される新たなバリエーションです。民間企業SpaceXなどとの競争が激化するなか、信頼性と価格競争力の両立に向けた重要な一手となります。
今回の成功で低コスト構成の実績を積んだことで、国内外の受注拡大が視野に入ります。量産体制の確立や連続打ち上げ実績の積み上げなど課題は残りますが、大学・スタートアップへの打ち上げ機会の提供も含め、日本の宇宙産業全体の活性化につながるかどうかが今後の焦点となるでしょう。










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