
日本銀行は6月15日、16日の両日に金融政策決定会合を開きます。市場では、現在の政策金利を0.75%から1%へと引き上げる公算が極めて大きいとの見方が強まっています。仮に予想通りとなれば、今回の利上げは昨年12月以来となる4会合ぶりの金融引き締めであり、政策金利が1%の大台に達するのは1995年以来、実に31年ぶりの高い水準となります。
背景にあるのは、世界的な物価上振れリスクの深刻化です。中東情勢の混乱や地政学的な緊張を契機とした原油高の影響が幅広い品目に波及し、価格上昇が鮮明となっています。日本銀行が10日に発表した5月の国内企業物価指数(速報値)は前年同月比で6.3%という大幅な上昇を記録しました。記録的な円安進行と相まってインフレが加速する恐れがあり、市場参加者の間では早期の対応が不可避との見方が広がっています。
また、世界的な金融政策の転換も注目されています。欧州中央銀行(ECB)は先行して11日の理事会で0.25%の利上げを決定しました。2023年9月以来となる約3年ぶりの決定であり、中東危機が発生して以降、主要な中央銀行としては異例の早さです。
このような重大な局面での会合ですが、日本銀行の公式発表によれば、植田和男総裁は肝のう胞感染症の治療のため9日から入院しており、今回の決定会合を欠席します。通常は9人の政策委員会メンバーで議論しますが、今回は残る8人で採決を行います。会合中は氷見野良三副総裁が議長の職務を代理し、終了後の記者会見は内田真一副総裁が代行することが正式に決まっています。総裁不在のまま歴史的な政策変更が議論され、市場との対話を副総裁が担うという極めて異例の展開となります。
国債買い入れ減額の中間評価と市場の予測
同会合のもう一つの焦点は、金融政策正常化の一環として進めてきた国債買い入れの減額に関する中間評価です。市場の予測では、来年3月までは四半期ごとに2000億円ずつの減額とする現行計画が維持される見通しです。
現在、長期金利は上昇傾向が続いています。このため、市場関係者の間では、来年4月以降は段階的な減額を一旦ストップし、月間2兆1000億円の買い入れペースを継続するとの見方が有力視されています。政策金利を引き上げてインフレに予防的な歯止めをかける一方で、国債を一定規模で安定的に買い入れることで、長期金利の急激な上昇を防ぐ狙いがあると分析されています。債券市場の急変動を回避し、実体経済への配慮を欠かさないバランスの取れた舵取りが期待されています。
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