
6月16日の東京株式市場で、半導体大手キオクシアホールディングス(キオクシア)の株価が急伸し、終値ベースでの時価総額が51兆7492億円となり、50兆円の大台を突破しました。日本の上場企業で時価総額が50兆円を超えたのは、トヨタ自動車(トヨタ)に次いで史上2社目となります。同日の終値は前日比3810円高の9万4720円(ザラ場高値9万7610円)まで上昇しました。これにより、かつて50兆円を超えていた時価総額2位のトヨタ(現在は44兆円強)との差を7兆円弱にまで広げました。
これまで国内で時価総額が50兆円を超えたことがあるのはトヨタのみです。民営化後の上場で個人投資家を中心に投資ブームを起こした1987年のNTTや、「iモード」で国内を席巻しITバブルの波に乗った2000年のNTTドコモであっても、40兆円台にとどまっていました。この歴史的な50兆円超えの背景には、人工知能(AI)の普及に伴う業績の急伸があります。市場予想(QUICKコンセンサス)によると、2027年3月期の純利益は前期比9倍の4兆9448億円、2028年3月期には6兆3401億円にまで伸びると見込まれています。
米国ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)による旺盛な設備投資により、データセンター向け半導体メモリーの需要が急増しています。これまでメモリーの供給は単年契約が大半でしたが、足元で複数年契約の割合が高まっています。キオクシアの太田裕雄社長は「2028年のみならず2029年以降も長期契約を結びたいというハイパースケーラーの顧客が数社いる」と述べています。半導体市況は好不況を繰り返し、同社の2024年3月期は最終赤字に陥っていましたが、長期契約の増加によって価格や数量の変動リスクが減少し、安定した収益源になると投資家からの期待が集まっています。
AI銘柄への期待拡大と過熱感に対する市場の警戒
AI特需による中長期的な業績拡大への期待は、他の関連銘柄にも波及しています。電子部品大手の村田製作所の株価が急伸し、米系大手証券が目標株価を1万2400円に引き上げるなど、AI銘柄の本命として浮上しています。また、韓国SKグループの崔泰源会長が「AIは過剰投資ではない」と明言し、日本への投資増に意欲を示すなど、強気相場を後押しする動きが目立ちます。
もっとも、この急激な株価上昇にはリスクも存在します。6月12日に新規株式公開(IPO)を果たしたイーロン・マスク氏率いる米国のスペースXは、時価総額を年間売上高で割ったPSR(株価売上高倍率)が異例の100倍を超えており、市場の過熱感も指摘されています。キオクシアも、世界情勢の変化やハイパースケーラーの投資サイクルの転換などをきっかけとして、短期的な調整局面を迎える可能性には留意が必要です。
キオクシアの時価総額の推移について知りたい方は、下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/kioxia-holdings








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