
6月17日のニューヨーク外国為替市場において、円相場が対ドルで急落し、一時1ドル=160円79銭まで下落しました。政府・日銀が4月30日に円買い介入へ踏み切る前の安値を下回り、さらに2024年7月の介入時に付けた水準も割り込む形となりました。これにより、円相場は約1年11カ月ぶりの円安圏に達しています。政府・日銀は4月30日、円買い介入に踏み切りました。当時160円70銭近辺で推移していた円相場は一時155円50銭近辺まで急上昇し、5月上旬の連休中にも複数回、157円台から155円台へと急騰する場面が見られましたが、今回の下落によって4月の介入効果は完全に帳消しとなった形です。
この急激な円安進行の主因は、日米の金融政策発表を受けた強烈な金利差拡大の意識です。米連邦準備制度理事会(FRB)は17日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を現行の年3.50〜3.75%に据え置くことを全会一致で決定しました。さらに参加者の経済見通しにおいて、金融市場では「年1回」と「年2回」の予想が伯仲していましたが、2026年末までに「利上げ1回」を行う予想が中央値として示されました。5月に就任したウォーシュFRB議長の下での初会合となった今回、従来より短く簡素化された声明文では「FOMCは物価安定を実現する」と明記され、FRBのもう一つの責務である雇用の最大化に一切触れなかったことから、発信内容がタカ派的と受け止められました。結果として、この会合での据え置き決定と年内利上げの示唆は、タカ派姿勢として強く意識され、ドル高が進行する要因となりました。
一方、日本銀行は15日と16日に開かれた金融政策決定会合において、政策金利を1.0%へ引き上げることを決定しました。これは1995年以来、約31年ぶりの高水準となる歴史的な利上げです。しかし、この決定はすでに市場に織り込み済みであったことから、新たな円買い材料にはならなかったとの受け止めが大勢となっています。
このように、利上げを示唆するFOMC参加者の見通し発表と、利上げを実施しながらも市場への影響が限定的であった日銀への冷ややかな反応が重なり、日米金利差の拡大を強く意識した円安・ドル高圧力が一段と強まる結果となりました。
政府の警戒感と主要通貨に対するドル高の波及
こうした記録的な円安の進行に対し、政府の市場に対する警戒感は再び頂点に達しています。片山さつき財務相は6月9日の閣議後記者会見において、対ドルでの円安推移について「常に断固たる措置を取る用意があることは変わらない」と述べ、為替介入を示唆して市場を強く牽制しました。市場参加者の間では、いつ実際の円買い介入が発動されるか疑心暗鬼が広がっています。
さらに、今回のドル高圧力は円だけにとどまらず、主要通貨全般に波及し優勢となっています。対ユーロでは一時1ユーロ=1.1478ドルまでドル高・ユーロ安が進み、3月末以来の水準を付けました。また、主要通貨に対するドルの総合的な強さを示す「ドル指数」も前日比0.9%高い100.5に上昇し、同様に3月末以来の高水準を記録する場面がありました。FRBの利上げ示唆を警戒した動きが鮮明になる中、世界的なドル一強の様相を呈しており、日本の金融当局による今後の具体的な対応が強く求められています。












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