
ロシアの首都モスクワとその周辺地域で18日未明、ウクライナ軍による大規模な無人機(ドローン)攻撃が行われました。ロシア国防省などの発表によると、モスクワ一帯だけで190機以上の無人機が飛来し、防空システムによって撃墜されました。これは、2022年2月のロシアによるウクライナ侵略開始以降、同地域に対する攻撃としては、ロシアの侵攻開始以降、モスクワ一帯への攻撃としては最大規模となります。
さらに、ロシア国内や軍の占領地域全体を合わせると合計で550機以上が撃墜・迎撃されており、ウクライナ側が広範囲にわたって激しい反撃を仕掛けている実態が浮き彫りになりました。今回の攻撃は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、モスクワから東に約700キロメートル離れた同国中央部のカザニで開催される会合において、東南アジア諸国の首脳と会談を控えるタイミングで行われました。
攻撃の余波により、モスクワ一帯では複数箇所で甚大な被害が発生しています。モスクワ中心部から南東に約15キロメートルの場所に位置するモスクワ製油所には数機の無人機が激突して大規模な火災が発生しました。同施設への攻撃は16日朝に続いて今週2回目となります。また、モスクワ州のジュコーフスキー地区では集合住宅に無人機が墜落し、機体の破片による物理的損壊が生じたほか、郊外のショッピングセンターの屋上にも破片が落下して2000平方メートル以上が焼失する火災が発生しました。これら一連の被害により、子ども2人を含む少なくとも17人が負傷を余儀なくされています。
さらに航空インフラへの影響も深刻であり、市内で最も混雑するシェレメチェボ国際空港など主要3空港が離着陸を一時制限し、500便以上のフライトに影響が出ました。各空港では激しい攻撃の最中に乗客の安全確保を優先し、安全な場所へと避難させる措置を実施しました。
ネット上では、「首都モスクワまでこれほど大量のドローンが届くのは恐ろしい」「一般市民や日常生活への被害が心配」「燃料施設が次々と狙われてはロシア経済も深刻な打撃を受けるのではないか」など、戦況の拡大を懸念する意見が数多く寄せられています。
戦況の潮目を変えるエネルギー拠点への攻撃と両国の反応
今回の未曾有の大規模攻撃を受け、双方の指導部や関係機関からは異なる反応が示されています。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は自身のSNSを通じて、「今回の長距離攻撃はロシアの絶え間ない攻撃への完全に正当な対応だ」と強調し、モスクワ製油所に対する攻撃の事実を公に認めました。一方、防空体制の強化に追われるモスクワのセルゲイ・ソビャニン市長は、「防空部隊は大規模な攻撃の撃退を続けている」と前置きしつつも、「数機のドローンが製油所に到達した」と事実の一部を認めました。しかし、複数のメディアが報じる大規模な炎上や施設への具体的な被害詳細については言及を避けており、慎重な姿勢を崩していません。
4年余り続く紛争の終結に向けた外交交渉が停滞する中、今回の攻撃の背景には、ロシアが戦費調達の基盤とするエネルギーインフラをピンポイントで叩くウクライナ側の明確な狙いが存在します。ウクライナ軍はロシアの軍事資金源と前線への燃料供給を枯渇させる目的で、ここ数か月で製油所を狙った無人機攻撃を飛躍的に強化しています。攻撃対象が前線から遠く離れた首都圏の重要拠点にまで及ぶ現状において、市民の生活圏や経済活動への影響も避けられません。今後も防空体制の強化とインフラ防衛を巡る両国のせめぎ合いは一層激化すると予想され、国際社会における停戦に向けた議論が強く促される状況となっています。









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