
6月18日のニューヨーク外国為替市場において、対ドルの円相場が乱高下し、神経質な展開が続いています。一時1ドル=161円80銭台へと急落し、約1年11カ月ぶりの安値水準を更新する場面があったあと、80銭ほど円高・ドル安に振れるなど、相場は極めて不安定な状態にあります。
160円台で推移していた円相場は、米東部時間の午前11時半ごろに161円台に下落すると、一気に下げ幅を拡大しました。市場参加者が次の重要な節目として注視しているのが161円96銭です。これは2024年7月に付けた直近の底値であり、この水準を下抜けた場合、1986年12月以来約39年半ぶりとなる歴史的な円安となります。1985年のプラザ合意で260円付近から120円付近にまで水準が切り上がって以降の長期的な為替の変遷において、極めて重大な局面を迎えているといえます。
この急激な円安の根底には、強固なドル高圧力と日米の金融政策の乖離があります。17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、参加者の政策金利見通しが年内の利上げを見込む「タカ派」へと傾斜し、9月の会合での利上げ観測が浮上しました。一方、日本銀行も16日に政策金利を1%へと引き上げましたが、今後の利上げペースは半年に1回程度の緩やかなものに留まるとの見方がある一方で、早期の追加利上げを警戒する声もあり、市場の見方は分かれています。
結果として金利差拡大が意識され、円売り・ドル買いの勢いが加速しています。足元の外国為替市場では、ドル円相場が1ドル=161円80銭台をつけ、約39年半ぶりとなる歴史的な円安水準に接近しました。また、ドル高は対円のみならず幅広い通貨に対して進行しており、対ユーロでは一時1ユーロ=1.145ドル台と3月以来のドル高・ユーロ安水準を記録しています。
さらに、主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数も一時100台後半と2025年5月以来の高水準に回復しました。加えて、米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した9日時点のデータによると、ヘッジファンドなど非商業部門による円の売り越し幅は前週比13%増の14万5818枚(約1兆8200億円規模)に達しており、投機マネーの流入が相場の変動幅を増幅させています。過去数年にわたり進行した「ドル離れ」からの揺り戻しが起きていることも、現在の堅調なドル相場を下支えする要因となっています。
巨額介入と片山財務相による市場牽制の波紋
歯止めのかからない円安進行に対し、政府・日本銀行は強い警戒感を示しています。政府・日本銀行は今年の4月から5月にかけて、月間ベースで過去最大規模となる計11兆7349億円の円買い・ドル売り介入を実施しました。しかし、その後も円安基調は反転していません。
こうした事態を受け、片山さつき財務相は19日午前の閣議後記者会見において、「いつも申し上げている通り、投機的な動きがあれば断固とした措置をとるということに尽きる」と述べ、投機筋による過度な変動を強く牽制しました。
市場参加者の間でも為替介入への警戒感は根強く、午後3時半過ぎに相場が161円間際に急伸した際には、介入を警戒して円買いが入り急速に値を戻すなど、神経質な値動きが観察されました。ファンダメンタルズに基づくドル高圧力と、当局による実弾介入のリスクが複雑に交錯しており、少しの材料で相場が過剰反応しやすい極めて脆弱な地合いが当面続くと予想されます。


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