
ドローン(無人機)の飛行規制を大幅に強化する改正ドローン規制法が6月17日、参院本会議で可決、成立しました。本改正により、重要施設周辺に設定されている飛行禁止エリアが、従来の約300メートルから約1キロへと大幅に拡大されます。
日本のドローン規制は、2015年に発生した官邸へのドローン落下事件を契機に2016年に施行され、その後の法改正で自衛隊施設や空港なども対象に加えられてきました。現行法では、首相官邸や国会議事堂、外国公館といった施設の敷地上空をレッドゾーン、その周辺をイエローゾーンとして原則飛行を禁じています。これまではイエローゾーンにおいて警察官らによる飛行停止命令に従わない場合にのみ罰則が適用されていましたが、改正法では、警察官の退去命令を挟まずに無許可飛行を即座に摘発できる『直罰化』へと厳格化されました。違反した場合、直ちに6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されます。なお、この規制は重量100g未満のトイドローンも例外なく対象となる点に注意が必要です。さらに、飛行禁止の対象施設も拡大され、従来の官邸や原発、自衛隊施設などに加え、新たに首相らが出席する式典会場や、外国要人が参加する会議場についても一定期間指定できるようになります。
この法改正の背景には、近年のドローン技術の急速な進歩があります。飛行速度や積載重量などの性能が飛躍的に向上したことで、遠隔から敷地外より攻撃を仕掛けるテロの脅威が高まっており、警備側の対応時間を確保するために規制距離を広げる必要がありました。これに伴い、首都圏の都心部(千代田区や港区など)においては、国会議事堂や外国公館など複数の重要施設の規制エリアが重なり合うため、実質的に広大な範囲でドローンの飛行が制限されることになります。安全保障や治安維持の観点から、より厳格なドローン運用ルールが構築されることになります。
ドローンの脅威に対する原発での検知義務化と国産化推進の動き
テロ対策の動きは重要施設全般に広がっています。こうした規制強化の動きと並行して、原子力施設での対テロ対策も進められています。原子力規制委員会は同月18日の定例会合にて、ドローンによる攻撃事例を教訓とし、全国22か所の核燃料取扱施設を対象に、ドローン検知システムの導入を義務化する方針を固めました。事業者は改正規則の施行後2年以内に申請を行う必要があります。
一方で、ドローン技術は防衛力強化の観点からも重要視されています。また、小泉防衛相は国内のドローン等の装備品生産に関して、政府主導で投資や調達を強力に推進していく姿勢を鮮明にしており、安全保障と連動した国内産業の育成にも焦点が当てられています。さらに防衛省は13日、陸上自衛隊内に無人機の運用や研究を専門とする『無人アセット防衛能力推進室』など2つの新部署を8日付で新設したと発表しました。四方を海に囲まれた日本特有の防衛戦略において、無人機の活用体制を急ピッチで構築する狙いがあります。不審機に対する防御網の構築と、国産ドローン産業の育成という両輪が、今後の日本の安全保障における鍵となります。












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