
防衛省は17日、退職した自衛隊員とその家族への支援策を協議する委員会の初会合を開きました。小泉進次郎防衛大臣は会合で、退職後も安心して生活設計を描ける環境整備は「自衛官という職業を選択してもらうために不可欠だ」と強調。「いわば『退職自衛隊員・家族支援庁(仮称)』のような専門組織の創設も含めて、検討を急ぐ必要がある」と述べ、支援体制の抜本強化に向けた検討を指示しました。
委員会は退職自衛官の再就職支援や生活支援、家族へのサポート強化などをテーマに、予算要求に向けた検討を深める方針です。防衛省はこれまでも、50代半ばで定年を迎える隊員が多いことから、退職自衛官への給付金支給や就職あっせんなどを実施してきました。小泉氏は「処遇改善は現職だけでなく退職後の人生まで含めて考えるべきだ」との認識を示しています。
背景には、自衛官のなり手不足の深刻化があります。少子化が進むなかで自衛官の募集環境は厳しさを増しており、防衛省は給与や勤務環境の改善に加え、「任務を終えた後も国家が最後まで支える」というメッセージを明確に打ち出すことで、職業としての魅力を高めたい考えです。
小泉氏はこれまでも、退役軍人に対する社会的な敬意の示し方に言及してきました。アメリカには退役軍人向けの省庁「退役軍人省(VA)」があり、医療・年金・職業訓練などを一元的に担うほか、公共施設での感謝を示す取り組みも広く行われています。小泉氏は国会審議などで「退職後も誇りを持って暮らせる社会をつくる必要がある」と訴えてきました。
小泉氏はX(旧ツイッター)でも、防衛省の政務三役が一丸となって支援庁構想の検討会をスタートさせたと投稿。「国を守った人を、国家が最後まで守り切れる仕組みをつくりたい」と意欲を示しました。
米退役軍人支援を参考に、組織再編含めた体制強化を検討
今回の委員会では、既存制度の拡充にとどまらず、防衛省内の組織再編を含めた体制強化が議題となっています。「退職自衛隊員・家族支援庁(仮称)」としてより自立した組織形態を検討する可能性も示されました。一方で、新組織の創設には既存の人員・予算との調整が避けられず、縦割りの是正や地方自治体との役割分担など、制度設計上の課題も残ります。
防衛省は今後、委員会での議論の進捗に合わせて具体的な施策を公表していく方針です。小泉氏は「現職の処遇改善と並行して、退職自衛隊員と家族の支援を強化することが、防衛力の持続的な基盤になる」として、早期に方向性を示したい考えです。












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