
JR東海とJR西日本は、東海道・山陽新幹線にグリーン車を上回る最上級クラス「Supreme Class(スプリームクラス)」を2026年10月1日から導入すると発表しました。 新サービスは、ビジネス客やインバウンド富裕層など、移動時間をプライベート空間で快適に過ごしたい層の需要を取り込む狙いがあります。
Supreme Classは、完全個室の「Cabin」と半個室の「Seat(シート)」の2タイプで構成され、このうちCabinが先行導入されます。 東海道新幹線では約23年ぶりの個室復活となり、東京~博多間を走るN700S系16両編成の「のぞみ」「ひかり」「こだま」に順次展開され、10月時点では上下計1日12本程度の列車で運行される予定です。
Cabinは、7号車のソファ付き1~2人用と、10号車の1人用が各編成1室ずつ設けられます。 扉は交通系ICカードやQRコードで解錠する電子錠を採用し、高いプライバシーとセキュリティを確保します。 座席にはレッグレスト付きリクライニングシートや大型テーブルを備え、長時間移動中の仕事や食事がしやすいレイアウトとされています。
料金はエクスプレス予約(通常期・大人1名)を利用した場合、のぞみ通常期の東京~新大阪間では、7号車Cabinが6万500円、10号車1人用が4万2100円です。 東京~博多間では7号車が9万220円、10号車が6万3620円と、航空機のファーストクラス並みの水準となっています。 それでも、区間や利用人数によっては、ビジネス利用や記念旅行として一定の「お得感」があると指摘する見方もあります。
高価格でも「時間を買う」層に訴求 先端技術のショーケースにも
設備面では、AGCが開発した5G対応透明ガラスアンテナを用いたSupreme Class専用Wi-Fi環境を備え、高速走行中でも安定した通信を目指します。 窓そのものにアンテナ機能を持たせるこの技術は、将来的な他路線や海外展開も期待される先端ソリューションです。 さらに、NTTグループの特許技術「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」を活用したシートスピーカーにより、音漏れを抑えつつ手持ち端末とBluetooth接続してコンテンツを楽しめるようにします。
サービス面では、「のぞみ」「ひかり」利用時にドリンクと菓子のウェルカムサービスが1人1回無料で提供され、専用タブレットから車内販売メニューをモバイルオーダーすると、パーサーが個室まで届けます。 照明や空調、車内放送音量もタブレットから個別に調整可能で、航空機のビジネスクラスを意識した「おもてなし」を打ち出しています。
JR各社は、のぞみの混雑やインバウンド増加の中で、時間価値を重視する顧客向けに高付加価値サービスを拡充し、収益性とブランド力の向上を図ろうとしています。 座席数が限られることから収益面でのインパクトは限定的との見方もありますが、ビジネスパーソンのオンライン会議、子ども連れ家族の移動、記念旅行など、「一生に一度」の体験需要をどこまで掘り起こせるかが焦点となりそうです。












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