
出版大手であるKADOKAWAは6月24日、東京都調布市の角川大映スタジオにて第12期定時株主総会を開催し、会社側が提案した夏野剛社長の取締役再任案を可決しました。一方で、筆頭株主である香港系投資ファンドの「オアシス・マネジメント」が業績低迷を理由に求めていた社長解任の株主提案は否決されました。3時間以上にわたって行われた総会には226人(一部報道では230人近いとの見方もあります)の株主が参加し、注目の集まる採決となりました。
オアシスが23日に関東財務局へ提出した資料によれば、同ファンドは主要株主のソニーグループなどを上回る15.25%の株式を保有しています。オアシス側は、夏野氏がCEOに就任した2021年以降、5年で営業利益率が低下している点や、ゲームなどの知的財産の価値を十分に生かし切れておらず、経営計画が未達成であると厳しく指摘していました。さらに、米議決権行使助言会社であるインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)などの2社もオアシスの提案を支持し、夏野氏の再任に反対を推奨する異例の事態となっていました。
また、創業家出身であり個人株主でもある角川歴彦前会長は、総会に合わせて報道陣の取材に応じ、「夏野氏は時間切れだ」と述べ、経営責任を取って退任を求める趣旨の発言を行ったことを明かしています。角川氏自身もオアシスの提案に賛成する意向を示しており、社内外のさまざまなステークホルダーの意見が交錯する中での決議となりました。
会社側は、夏野社長のもとで事業拡大に一定の成果があったと反論しており、最終的に他の株主からの支持を取り付けることに成功しました。これにより、夏野氏は引き続きCEOとして経営の舵取りを担い、新たな取締役12人(うち7人が社外取締役)からなる新体制を構築することになります。
総会後の反応と今後の経営立て直しに向けた課題
激しい委任状争奪戦となった今回の株主総会を終え、KADOKAWAは「反対票及び棄権票を含む株主の皆様からのご意見を重く受け止めております」とするコメントを発表しました。今後の企業価値向上に向けて全力を尽くすとともに、経営体制や役員報酬制度、中期経営計画の進捗管理に加え、株主との対話のあり方についても取締役会で検討を進める方針を示しています。具体的な議決権行使結果の賛成率については、25日以降に明らかにされる見込みです。
一方、解任提案が否決されたオアシス・マネジメントも同日に声明を公表し、会社側に対して「今回の総会で示された株主の意思を真摯に受け止め、あらゆるステークホルダーとの間で建設的な対話を実施するよう強く求める」と牽制しました。近く公表される議決権行使結果において、夏野氏への支持低下が示されるとの見方を示しており、その結果を精査したうえで、今後の対応を検討していくとしています。KADOKAWAにとっては、業績の回復やガバナンスの透明性確保など、市場の厳しい視線に応えるための迅速な改革が急務となっています。












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