
米メモリー大手のマイクロン・テクノロジーが発表した最新の決算は、市場に大きな驚きをもたらしました。2026年3〜5月期の売上高は前年同期比約4.5倍(346%増)となる414億5600万ドルとなり、純利益は前年同期から約15倍に跳ね上がる282億4300万ドルを記録しました。これらの実績は事前の市場予想を大きく超過するものであり、人工知能(AI)向けのデータセンター関連需要が爆発的に増加して業績を強力に牽引していることが背景にあります。サンジャイ・メロトラCEOは、「顧客の急速に拡大する需要に対応するため、過去最高水準の投資を行っている」とコメントし、今後の事業展開への強い自信を覗かせました。
さらに、2026年6〜8月期の売上高見通しについても約500億ドルと公表し、アナリストの予想平均である432億ドルを大幅に上振れました。この強気な見通しを受けて、同社の株価は時間外取引で一時16%高まで急騰する展開となりました。
決算発表の前日には、半導体株全体に売り圧力が強まっていました。しかし、マイクロンの力強い決算がこの不安を完全に払拭し、市場には急速に安心感が広がっています。
この好影響は日本の株式市場にもダイレクトに波及しました。6月25日の日経平均株価は、前営業日比3191円37銭高の7万2366円34銭を記録し、終値ベースでの史上最高値を大きく更新しました。東京エレクトロンやアドバンテストなど、指数への影響が大きい半導体関連銘柄が軒並み急騰し、相場全体を強く牽引しています。AIインフラに対する企業の巨額投資は継続しており、半導体メモリーはもはや単なるコモディティー部品から、戦略的な重要物資としての地位を確固たるものにし始めています。
AI需要増がもたらすメモリー高騰と消費者への波及
一方で、AIデータセンター向けの需要急増による半導体メモリー価格の高騰は、消費者向けの最終製品にも深刻な影響を及ぼし始めています。米アップルのティム・クックCEOは、データセンター建設に伴う世界的なメモリー需要の増加を理由に、自社製品の価格上昇は避けられないと言明しました。
企業間取引における半導体争奪戦が激化することで、パソコンやスマートフォン向けの汎用メモリーの供給が逼迫し、部品調達コストが急激に跳ね上がっています。メモリー各社は供給確保のために生産能力を増強してはいるものの、最先端品への投資と実需のバランスを見極めることは非常に困難です。過去には不況期に供給過剰となり、大規模な在庫調整で大赤字に陥るサイクルを繰り返してきた業界だけに、過度な増産には慎重にならざるを得ないのが実情です。
今後、半導体メーカー各社には、AI特需に沸く足元の旺盛な需要に応えつつも、将来の需要減退リスクを見据えた極めて精緻で慎重な経営判断が求められます。






」が活動する成層圏-150x112.jpg)





-300x169.jpg)