
中国東北部の遼寧省大連市で、日本人2人が「国家輸出入禁止貨物密輸罪」に抵触した疑いで中国当局に拘束されていたことがわかりました。木原稔官房長官が24日の記者会見で明らかにしたもので、在瀋陽日本国総領事館および在大連領事事務所が、5月18日と25日にそれぞれ邦人1人が同容疑で拘束されたとの通報を現地公安から受けたと説明しました。
拘束された2人は、中国に拠点を置く日系大手重電メーカーの現地法人に勤務する日本人社員とみられます。関係者によりますと、問題となっているのは中国が輸出管理を強化しているレアアース(希土類)関連製品で、これらを日本など国外へ持ち出そうとした行為が法令違反と見なされた可能性が指摘されています。
木原官房長官は会見で、「本件は捜査中であり、プライバシー保護の観点から個人特定事項や事件の詳細については、お答えできない」とした上で、拘束されている2人の健康状態については「特段の問題はないとの報告を受けている」と説明。さらに、日本政府として当該邦人や家族・所属企業と連絡をとりつつ、「邦人保護の観点から適切に対応していく」との方針を示しました。
中国側もこの件について事実関係を公式に認めています。中国外務省の郭嘉昆副報道局長は同日の会見で「日本人2人が法律に違反したため、関係部門に拘束された」と述べた上で、「日本は在中国の日本人や日本企業に対し、中国の法律や規則を順守するよう教育すべきだ」と求めました。詳細については担当部門への問い合わせとするよう促し、それ以上の説明を避けました。
レアアース輸出規制強化と日中関係への影響
今回の2人の拘束は、レアアースなど戦略物資の輸出管理をめぐる中国の規制強化と密接に関係しているとみられます。中国は2024年12月に軍民両用品目(デュアルユース)輸出管理条例を施行し、2025年4月にはサマリウム、ジスプロシウムなど重希土類を含む7種のレアアースに関する輸出規制を新たに導入しました。
さらに2026年1月には、高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁に反発する形で、レアアースを含むデュアルユース品目の対日輸出規制を強化しています。
日本にとって、中国依存度の高いレアアース調達の多角化を進めながら、現地拠点での法令順守を徹底することが急務です。また、今回の邦人拘束は日中関係の懸案事項にも直結する内容です。ハイテク分野における規制強化が加速するなか、企業のコンプライアンス体制の実効性と、レアアースをはじめとする戦略物資をめぐる国際的なサプライチェーンの再構築が問われています。







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