
アメリカ中央軍は6月26日、イランがホルムズ海峡を航行中の船舶に対して行ったドローン攻撃への報復として、イラン国内のミサイルおよびドローン貯蔵施設、ならびに沿岸部のレーダー施設に対する空爆を実施したと発表しました。この空爆は、両国間の戦闘終結に向けた覚書が発効した直後の軍事行動となります。アメリカ中央軍は声明を発表し、イランによる事前の攻撃を「停戦合意に対する明白な違反だ」と強く非難しました。その上で、「イランとの合意のあらゆる内容が順守され、完全に有効であることを確保していく」と強調し、引き続き厳重な警戒態勢を維持する方針を示しています。
事の発端となったのは、25日にホルムズ海峡に近いオマーン湾で発生した貨物船への攻撃です。報道によりますと、イランの革命防衛隊がシンガポール船籍の貨物船に対して少なくとも4機のドローンを発射し、うち1機が貨物船の操舵室に直撃し船体を損傷させました。幸いにも負傷者は確認されていませんが、残りの3機はアメリカ軍によって空中で撃墜される事態となりました。
アメリカのトランプ大統領は26日、自身のSNSを通じてイランによる商業船舶への攻撃を「停戦合意への愚かな違反だ」と激しく非難しています。一方で、イラン側もアメリカ軍の報復空爆に強く反発しています。中東のメディアによれば、革命防衛隊が対抗措置として周辺地域に展開するアメリカ軍拠点を標的とした報復攻撃を行ったと報じられています。6月17日に戦闘終結に向けた覚書が結ばれ、一時的にホルムズ海峡の封鎖が解除されたことで退避が進むと期待された矢先でした。今回の報復の応酬により、最終合意を目指す両国間の平和交渉の行方は極めて不透明な状況に陥っています。
IMOが1万1千人規模の船員避難計画を一時停止 懸念される市場への影響
イランによる民間貨物船への攻撃を受け、IMO(国際海事機関)はホルムズ海峡周辺に足止めされている船舶と船員の避難計画を一時停止すると発表しました。IMOは当初、長引く海峡封鎖によりペルシャ湾などに取り残されていた1万1千人以上の船員を安全に退避させる計画を23日に発表したばかりでした。しかし、今回のドローン攻撃により安全確保が極めて困難になったと判断され、着手直前での中止を余儀なくされました。
また、イギリスの海事当局も25日、オマーン沖での飛翔体による貨物船の損傷を報告しており、民間船舶に対する直接的な脅威が再び高まっていることを裏付けています。アメリカとイランの軍事的緊張が再燃したことで、世界で最も重要な原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の安全航行は再び脅かされる事態となりました。これにより、エネルギー市場のさらなる混乱や国際的な物流網への深刻な影響が懸念されており、関係各国は事態の推移を強い警戒感をもって注視しています。












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