
米国とイランの交渉団は、互いに武力攻撃を停止することで合意に達した模様です。米メディアが6月28日、米政府高官の話として報じました。両国は30日に仲介国として機能しているカタールの首都ドーハにおいて、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を巡る対立の解消に向けた協議を実施する見通しです。
そもそも米国とイランは6月17日に戦闘終結に向けた覚書に署名しており、60日以内の最終合意を目指して交渉を進めていました。しかし、ホルムズ海峡の安全航行に関する解釈の違いなどから、25日以降に双方が相手の合意違反を主張して攻撃の応酬を繰り広げていました。米国のトランプ大統領が27日、無人機によるタンカー攻撃への報復としてイランの軍事施設を空爆したことを明らかにしました。これに対し、イランの精鋭軍事組織である革命防衛隊も28日にバーレーンやクウェートにある米海軍第5艦隊関連の施設計8か所を弾道ミサイルなどで攻撃したと発表し、軍事的緊張が極度に高まっていました。
両国はこれ以上の関係悪化による交渉の完全な頓挫を避けるため、「あらゆる軍事行動の停止を決定した」と複数の米政府高官は説明しています。当面の対応として互いに攻撃を自制し、世界中の商船やタンカーが自由に航行できる状態を維持する構えです。
一部報道によれば、一連の軍事的衝突を理由に、イランは直前に予定されていた実務的な協議への参加を見送るなど、交渉は難航していました。しかし、これ以上の関係悪化による完全な頓挫を避けるため、両国は互いに攻撃を自制し、まずは30日にカタールのドーハにおいて、目前に迫る地域紛争への発展を食い止めるべく、ホルムズ海峡の安全確保策に焦点を絞って協議を再開することで合意した形となります。
ホルムズ海峡の緊張緩和に向けた課題
6月30日にドーハで開催される協議では、攻撃応酬の火種となったホルムズ海峡の通航管理に関する解釈の溝を埋められるかが最大の焦点となります。イランは覚書に基づき、海峡を通過する船舶の調整は自国が単独で責任を負うと主張しており、指定航路を外れた商船に警告射撃を行うなど、主導権を握る姿勢を強めていました。
一方で米国をはじめとする国際社会は、国際水路における完全な自由航行を求めています。米国とイランの代表団は6月21日から22日にかけてスイスで協議した際、仲介国の声明によれば、商船の安全を確保するための新たな「連絡チャネル」を構築することで合意していました。しかし、その直後に再び攻撃の応酬が発生したことから、この連絡体制がまだ実効性を伴っていなかったことが浮き彫りとなりました。
今後の協議においては、機能不全に陥った連絡体制の実効性をいかに担保し、不測の軍事衝突を防ぐための具体的なルールを構築できるかが、中東地域の安定化を左右することになります。



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