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最近、ニュースなどで麻しん(はしか)の感染報告や注意喚起を耳にすることが増えたと感じませんか。現在、世界規模で、そして日本国内においても麻しんの流行が懸念されています。
今回は、なぜ今麻しんが流行しているのか、そして私たちが取るべき予防策についてお話しします。
密接な接触環境で免疫のない人が感染者にさらされた場合、約90%が感染する麻しん

麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる感染力の強い病気です。家庭内などの密接な接触環境で免疫のない人が感染者にさらされた場合、約90%が感染するといわれています。麻しんの流行を防ぐ唯一の方法がワクチン接種ですが、近年、このワクチン接種率に気がかりな変化が起きています。
ワクチン接種率のわずかな低下が劇的な感染拡大を招いた
教科書的にいわれる「感染症予防の三原則」は、「感染源の排除」「感染経路の遮断」
「宿主の抵抗力の増強」です。これに関して、2026年2月、アメリカの主要な医療・公衆衛生系団体が連携するCommon Health Coalitionから、重要なスポットライトブリーフ(研究報告)が発表されました。
Chad R. Wells氏らの研究チームは、米国の州単位でのワクチン接種率と麻しんの発生モデルを分析しました。その結果、地域における集団免疫のギャップ(免疫レベルの低下)が、麻しん発生時の被害規模につながっていることが指摘されました。
この研究では、社会全体のワクチン接種率がわずかに(95%未満に)低下しただけでも、麻しんの患者数や入院数が爆発的に急増し、大きな健康・経済的負担を招くと強く警告しています。
肺炎や脳炎そして命に関わる重篤な合併症を引き起こす麻しん
麻しんは高熱や発疹だけでなく、肺炎や脳炎といった命に関わる重篤な合併症を引き起こす恐れがあります。これは海外だけの話ではありません。2023年以降、国外における麻しん流行に伴い、日本でも海外からの麻しん輸入症例が増加し、海外からのウイルスの持ち込みによる感染事例も報告されています。なお、麻しんと同時に注意しなければならないのが風しんです。
現在、日本でも麻しん・風しんの流行が認められる地域があり、特に子どもの頃にワクチンの定期接種を1回しか受けていない世代や、一度も受けていない方は、十分な免疫を持っていない可能性が高く注意が必要です。
予防接種の接種率を上げるために 例えば横浜市の風しん対策事業
麻しんと風しんからご自身や周りの大切な方を守るためには、免疫を確実につけることが重要です。日本では、麻しんと風しんの両方を同時に予防できるMR(麻しん・風しん混合)ワクチンが推奨されています。
現在、各自治体でも接種率を上げるための取り組みが実施されています。例えば、横浜市で実施されているのが、横浜市風しん対策事業です。これは、妊娠を希望されている女性やそのパートナーなどを対象に、風しんの抗体検査や予防接種を公費負担(無料または一部助成)で受けられるという制度です。MRワクチンを接種することで、麻しんと風しん両方の免疫を獲得できるため、こうした行政のサポートを積極的に活用することが、地域全体の感染拡大防止(集団免疫の維持)につながります。
考えてみよう予防接種そして抗体検査
「自分が過去にワクチンを何回打ったか覚えていない」「子どもの頃にかかったかどうかわからない」という方は、珍しくありません。日本の定期接種の制度は年代によって異なり、1回しか接種していない世代や、全く接種していない世代がいます。
まず、ご自身の母子手帳を確認してみましょう。もし記録がなかったり、免疫があるか不安だったりするときは、血液検査による抗体検査をお勧めします。麻しんや風しんは、一人ひとりが十分な免疫を持つことでしか社会での流行を止められません。
一部の医療機関では、麻しん・風しんの抗体検査および予防接種のご相談をすることが可能です。ご自身の抗体が気になる方、予防接種をご検討中の方は、自分のためそして社会のために、医療機関で相談することや正確な知識を理解することを検討してみてはいかがでしょうか。
参考文献:
1.日本感染症学会
2.Chad R. Wells,Abhishek Pandey,Yang Ye,et al. The health and economic repercussions of declining MMR coverage in the United States.
3.Measles vaccination rates in children have declined in most U.S. counties, study finds.
4.厚生労働省. 麻しん
5.横浜市風しん対策事業(妊娠を希望する女性などの風しん予防接種と抗体検査)
6.麻疹患者の劇的な増加はワクチン接種率のわずかな低下と関連.


















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