
米中央軍は7月7日、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡で通航中の民間商船3隻が攻撃されたことへの報復措置として、イランに対する強力な空爆を実施したと発表しました。海外メディアによると、米軍は精密誘導兵器を用いて、イランの防空システムや沿岸レーダー施設、無人機発射基地、さらにイラン革命防衛隊の小型艇60隻超など、計80か所以上の軍事拠点を標的に大規模な攻撃を行いました。イラン国営テレビなどは8日、南部の港湾都市バンダルアッバスやシリクなどで砲弾の破片により数人が負傷したと報じています。
今回の軍事行動と並行し、米国は経済制裁の強化にも踏み切りました。米財務省は7日、6月に署名された戦闘終結に向けた覚書に基づき、8月21日まで期限付きで認めていたイラン産原油の輸出許可枠を事実上撤回すると発表しました。本措置は10日間の猶予期間を経て段階的に発効しますが、7日以降の新規取引は直ちに全面禁止となります。
この決定に対し、イラン外務省は8日に公式声明を出し、「覚書に対する重大な違反行為であり、生じ得るいかなる結果についても責任は米国側にある」と非難しており、両国間の緊張は再び最高潮に達しています。
両国の軍事的および経済的な対立が再び先鋭化したことにより、世界の金融市場にも動揺が広がっています。市場では原油のサプライチェーンにおける供給途絶への懸念が急速に高まり、米原油先物価格(WTI)は7日、前日の終値比で5%超も急上昇し、一時1バレル=72ドル台を記録しました。空爆による軍事施設の破壊や原油の新規取引禁止が相まって各方面に深刻な影響を及ぼしており、6月17日に署名され、国際社会に平和的解決への期待を抱かせた米イランの停戦覚書は、わずか3週間足らずで破綻の危機に直面しています。
イラン側の報復攻撃と、NATO首脳会議でのトランプ大統領の発言
一方、空爆を受けたイラン側も即座に対抗措置に動きました。イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」は8日、米軍の攻撃に対する直接的な報復として、隣接するバーレーンおよびクウェートに展開する米軍関連施設など計85か所に向け、ミサイルおよび武装無人機(ドローン)による大規模な反撃作戦を実施したと発表しました。同部隊の声明によれば、この交戦によりイラン側で隊員1名が死亡した模様です。短期間での報復の連鎖により、事態は予測不能なエスカレーションの様相を呈しています。
北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するためトルコの首都アンカラを訪問中のトランプ米大統領は8日、米イランの覚書に基づく停戦は「終わった」と明言しました。さらにトランプ大統領は、イランの現指導部の排除に乗り出す可能性にまで言及し、徹底的な強硬姿勢を示しています。対立が急激に先鋭化する中、戦闘終結の最終合意に向けた交渉の行方は極めて不透明となっており、中東全域にわたる地政学的リスクが再び世界経済を脅かしています。












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