
イギリスの経済誌「エコノミスト」の調査部門であるEIUは、7月7日に「世界で最も住みやすい都市ランキング」の最新版を発表しました。この調査は世界173都市を対象としており、「安定性」「医療」「文化/環境」「教育」「インフラ」の5つの評価基準から都市の生活水準を数値化しています。
2026年のランキングでは、デンマークの首都コペンハーゲンが2年連続で首位を獲得しました。コペンハーゲンは、「安定性」「教育」「インフラ」の3部門において100点満点となる評価を受けたほか、「医療」で96点、「文化/環境」で95点を記録し、総合評価98点という高水準のスコアを記録しています。続く2位には総合評価97点を獲得したオーストリアのウィーン、3位には同スコアでオーストラリアのメルボルン、4位にはシドニー(97点)、5位と6位にはスイスのチューリヒとジュネーブ(ともに96点)がランクインしています。
日本の都市では、大阪が7位、東京が10位に入りました。特に大阪は5年連続でのトップ10入りとなり、長期的な生活水準の高さが裏付けられています。また、東京は文化・環境分野の改善が奏功し、トップ10入りを果たしました。大阪は、「安定性」「医療」「教育」の3部門において100点満点を獲得し、安定した都市基盤が評価されました。「インフラ」では96点、「文化/環境」では87点を獲得し、総合評価は96点となっています。一方の東京も、大阪と同様に「安定性」「医療」「教育」で100点満点を獲得しています。「文化/環境」においては89点と大阪を上回るスコアを記録したものの、「インフラ」の評価が93点であったため、総合評価は大阪と同じ96点となり、順位は10位という結果になりました。このように、日本勢の健闘は、治安の良さや高度な医療・教育システムが国際的に高く評価されていることを示しています。なお、8位にはオーストラリアのアデレード、9位にはカナダのバンクーバーが名を連ねています。
中東の情勢不安が影響、「住みにくい都市」ワーストの現状と課題
「住みやすい都市」が国際的な注目を集める一方で、「住みにくい都市」に目を向けると、地政学的リスクや長期化する紛争が人々の生活環境にいかに深刻な打撃を与えているかが浮き彫りになります。
2026年の評価において最も大きく順位を落としたのは、オマーンの首都マスカットでした。国内報道やEIUの分析によれば、マスカットは前回調査から順位を14下げて123位に後退し、クウェートも12ランク下落して105位となりました。これは、イラン周辺での戦闘や緊張状態が湾岸地域の都市の安定性に波及した結果だと指摘されています。また、長期化する軍事侵攻の影響が続くウクライナの首都キーウは、166位と依然として低水準にとどまっています。
世界173都市の中で「最も住みにくい都市」と評価されたのは、長年にわたる内戦で都市インフラが壊滅的な被害を受けているシリアの首都ダマスカス(最下位)でした。ワースト2位はリビアのトリポリ(172位)、ワースト3位はバングラデシュのダッカ(171位)となっています。生活の基盤となる安全保障やインフラの欠如が、そのまま都市の住みやすさの評価に直結していることが確認できる結果となりました。

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