
ファーストリテイリングが、衣料品の企画から製造、販売までを一貫して手掛ける製造小売り(SPA)分野において、スウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)を抜き、ついに世界第2位に浮上する見通しとなりました。同社は7月9日、2026年8月期の通期連結業績予想を上方修正し、売上高に当たる売上収益が前期比16.7%増の3兆9700億円になることを発表しました。この上方修正は今期に入って3度目となり、同社の勢いを強く印象付ける結果となっています。
世界のアパレル業界の勢力図ではこれまで、ZARA(ザラ)を展開するスペインのインディテックスが世界首位に君臨し、それに次いでH&Mが2位という順位が長らく定着していました。ファーストリテイリングは2016年8月期に米GAP(ギャップ)の売上高を上回って以来、長らく世界3位の位置につけていました。しかし、直近の2025年9月〜2026年5月期の9カ月間における連結決算では、売上収益が前年同期比17%増の3兆651億円を記録しています。今期に入って3四半期連続で四半期ベースの売上収益が1兆円を突破しており、一部報道によれば、四半期売上が9000億円前後で推移するH&Mに対し、ファーストリテイリングは1兆円の大台を維持しており、両社の差が明確に開いていると指摘されています。
これに伴い発表された2026年8月期の通期業績予想では、各利益段階で上方修正がなされました。具体的には、売上収益が前期比16.7%増の3兆9700億円(修正前から700億円増)、営業利益が前期比29.4%増の7300億円(修正前から300億円増)、そして純利益が前期比15.5%増の5000億円(修正前から200億円増)となる見込みです。
9日に開かれた決算説明会において、岡崎健最高財務責任者(CFO)は「成長の勢いはグローバルで続いている。潜在的な需要に応え切れていない」と語り、ユニクロブランドの世界的な需要の強さと今後の余力を強調しました。高機能な普段着という独自のコンセプトや適正な価格設定、生活者のニーズを捉えた継続的な情報発信が功を奏し、売上高4兆円という未踏の大台が目前に迫っています。また、純利益の予想も6年連続の最高益となる5000億円へと引き上げられました。現地通貨ベースで減収傾向がみられるH&Mや、売上の伸びが1桁にとどまる首位のインディテックスと比較しても、同社の力強い成長スピードは極めて際立っています。
業績をけん引する海外事業と、秋冬物に向けた価格戦略
この飛躍的な成長を力強くけん引しているのが、海外ユニクロ事業です。第3四半期累計において、同事業の売上収益は前年同期比25.9%増の1兆8340億円、事業利益は45.4%増の3453億円と、グループ全体を牽引する大幅な増収増益を達成しました。特に北米や欧州における積極的な大型店出店が成功し、すべての地域において顧客基盤と需要が拡大しています。
一方で、国内ユニクロ事業も売上収益が8.3%増と堅調な推移を見せていますが、6月は気温が低めに推移した影響により、一時的に売り上げが低迷する場面も見られました。また、今後の急激な円安の進行や原材料費の高騰への対応として、2026年秋冬シーズンからは一部商品において平均して4%弱の価格引き上げを実施する方針も明らかにしており、商品価値を高めつつ収益性の維持を図る構えです。
日本発のアパレル企業として、海外市場での高い成長力を維持しつつ、為替変動などの外部リスクをいかに乗り越えていくかが、業界首位へのさらなる躍進の鍵となります。





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