
米軍がホルムズ海峡周辺でイランへの空爆を繰り返し、6月19日発効の停戦覚書の履行を巡る攻防が続いています。中央軍は7月7日、イランが商船3隻を攻撃したことへの報復として「強力な攻撃」を実施し、海峡内外の80カ所以上を標的としました。さらに11日には、イランのミサイル基地など約140カ所を空爆したと発表。中央軍は一連の攻撃について、停戦違反への対応だと説明しています。
一連の応酬の発端は、6月25日にさかのぼります。トランプ大統領はSNSで、イランがシンガポール船籍の貨物船に少なくとも4機の攻撃ドローンを飛ばし、1機が甲板に命中したと投稿しました。船体は損傷したものの航行を続けたとされ、トランプ氏はこれを「停戦協定への愚かな違反行為だ」と非難しています。
停戦の枠組みは、6月19日にイスラマバードで署名された米・イラン間の覚書に基づくものです。レバノンを含む全戦線での軍事行動の即時・恒久停止をうたっていましたが、成立からわずか1カ月足らずで攻撃の応酬が再燃したことになります。戦闘終結に向けた最終合意交渉は、ホルムズ海峡の管理権と並び、イランの核問題も争点として残ったままです。
ホルムズ海峡は世界の原油・LNG輸送の約2割が通過する要衝であり、ここでの緊張は供給不安に直結します。米軍の報復攻撃が伝わった際には原油価格が一時6%上昇したと報じられ、その後も攻撃の応酬のたびに相場は上下を繰り返しています。
日本を含む輸入国にとって、海峡情勢はエネルギー安全保障そのものです。日本政府は6月19日の覚書合意を受けて緊張緩和への期待を示す一方、その後も商船攻撃と米軍の空爆が繰り返される状況を注視してきました。海上輸送とエネルギー市場の不安定化が続くとの見方が強まっています。
再封鎖宣言と通航料を巡る攻防
イラン革命防衛隊(IRGC)は7月12日未明、ホルムズ海峡を「追って通知があるまで」封鎖すると発表しました。許可されていない航路を通ろうとした船舶に警告射撃を行った直後の発表で、IRGCはこれを「外国勢力による干渉」だと非難しています。米国はこれに先立ち、攻撃停止を11日までに約束しなければ代償を払うと警告していましたが、実現しませんでした。
一方でトランプ大統領は同日、「海峡は商業輸送に開かれている」と述べ、封鎖の実効性に疑問を呈しました。さらに13日には、6月に解除した対イラン海上封鎖の再開と、通航船舶に貨物価格の20%相当を「安全確保の対価」として求める方針をSNSで表明しています。イラン側もかねて、通航料ではなく「サービスの対価」として料金を求める考えで、双方の綱引きが続いています。












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