
米軍は7月12日の対イラン攻撃で、水上を無人で航行し標的に体当たりして自爆するドローンを初めて実戦投入しました。米中央軍は13日に運用の様子が映っている動画を公開し、イラン南部バンダルアッバースの海軍基地で潜水艦や艦艇の整備施設を破壊したと説明しています。
有人機のパイロットを危険にさらさずに港湾施設へ精密に打撃を与えられる新兵器の投入は、米イラン攻防の新たな局面を示すものといえます。
報道によると、投入されたのはテキサス州の防衛スタートアップ社が開発した全長約7.3メートルの無人高速艇です。最大約450キロの積載能力を持ち、航続距離は1000海里(約1850キロ)、速力は35ノット超とされます。同社は2025年12月に米海軍と量産契約を結び、3月末に中東へ配備しました。
水上ドローンは無人で自律航行し、標的に体当たりして爆発する仕組みです。有人の小型艇に比べて浅瀬や港湾内の複雑な航路でも小回りが利き、レーダーで探知されにくいとされます。
米軍は6月にも、哨戒中に墜落したヘリの乗員救助に無人艇を投入しており、水上無人機の運用実績を重ねてきました。ヘリはイランに撃墜されたとトランプ大統領は主張していますが、原因は米軍当局が調査中で断定されていません。
今回の実戦投入は、そうした技術を救助任務から攻撃用途へと転用した初めての事例で、空からの攻撃が難しい港湾内の停泊艦艇を狙える点が新たな脅威とされています。
この攻撃に先立ち、米軍は7月11日にイランのミサイル基地など約140カ所を空爆しました。翌日の12日未明、イラン革命防衛隊は、ホルムズ海峡を「追って通知があるまで」封鎖すると宣言。米軍はこの封鎖宣言と前後して、無人ドローンによる攻撃を実行したとみられます。
米中央軍はX(旧ツイッター)で、ミサイルやドローン、海軍基地、弾薬庫などを標的にし、イラン側の商船攻撃能力を低下させる狙いだと説明しました。
無人艇攻撃が示す米軍の新局面とホルムズ海峡推移の行方
米軍はイランの港湾への海上封鎖を再開しており、14日時点で対イラン攻撃が4日連続となりました。トランプ大統領は同時に、ホルムズ海峡を通過する船舶に対し、貨物価格の20%相当を「安全確保の対価」として徴収する方針を表明しています。さらに14日には、イランが交渉に応じなければ来週にも発電所や橋を標的にすると警告しました。
無人ドローンという新たな軍事手段の投入は、米軍にとって選択肢を広げる一方、イラン側が対抗策を講じれば地域の軍拡競争を招く懸念もあります。ホルムズ海峡情勢は、技術面・外交面の双方で正念場を迎えています。












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