
コンテンツプラットフォーム「note」を運営するnote株式会社が、2026年11月期第2四半期累計(2025年12月〜26年5月)の業績で、売上・利益ともに大幅な伸びを示しました。ITmedia NEWSが7月に報じたところによると、同社は通期業績予想を上方修正し、その背景として生成AIの積極活用と、法人向けサービスを含む各事業の堅調な伸びを挙げています。報道では、売上高が前年同期比で3割超伸びた一方、売上高人件費率は低下傾向にあり、利益率の改善が進んでいるとされています。
同社はこれまでも、2025年11月期決算で売上高約41億円、営業利益約2億5000万円と、創業以来の最高益を記録したと報じられており、その成長トレンドが足元の四半期でも続いている格好です。ITmedia NEWSは、noteの成長要因として、個人クリエイターの有料記事などを含むプラットフォーム全体の取扱高(GMV)の拡大と、法人向けの「note pro」事業の拡大を指摘しています。さらに、同社IRが4月に公表した2026年11月期第1四半期決算の解説では、売上高が前年同期比27.3%増、営業利益は40倍超と、急速な収益力の向上が確認されていました。
今回の第2四半期累計では、決算説明資料などで、第2四半期までの売上高が26億円規模に達し、前年同期比で約32%の伸びとなったことが明らかにされています。営業利益も5億円超と、前年の数千万円規模から大きく伸長し、20倍を超える水準に拡大したと説明されています。背景には、限界利益率の高い収益構造の定着と、コストマネジメントの徹底があります。過去の決算でも、コスト管理や人件費の抑制により赤字幅を縮小してきた経緯があり、その延長線上で黒字拡大フェーズに入った形です。
こうした業績の牽引役となっているのが、AIを活用した業務効率化です。ITmedia NEWSは、noteが社内で生成AIを広範に導入し、コンテンツ制作やレコメンド機能の改善などに活用していると報じています。同社IRも、AIを活用した新機能のリリースやレコメンドエンジンの刷新により、プロダクトの利便性と滞在時間の向上を図っていると説明しています。今回の決算説明では、全社員に生成AIツールを配布するなど、開発やバックオフィスを含む幅広い業務でAIを利用し、リードタイム短縮や作業自動化を進めていることが強調されています。
一方で、同社は厳選採用を掲げ、人員数を抑制しながら成長を続けています。過去の決算分析記事では、売上高人件費率が右肩下がりで推移していることが指摘されており、今回の業績説明でも、従業員数が緩やかに減少する中で事業規模を拡大させたとしています。下期以降は、必要な領域に限定して採用を再開する見通しを示しつつも、売上高に対する人件費比率は継続的に低下させる方針です。AIによる生産性向上と人員構成の見直しにより、利益成長を伴う「質の高い成長」を目指す姿勢がうかがえます。
AI時代のコンテンツ基盤へ CSO新体制で戦略転換
noteは、AI時代のコンテンツ流通インフラを掲げ、新たな経営体制と戦略を打ち出しています。2025年以降、同社はKADOKAWAとの資本業務提携や、大手プラットフォームとの連携を進めており、クリエイターのコンテンツをより広く届けるエコシステムの構築を図っています。ITmedia NEWSによれば、生成AIの活用によってクリエイター数や投稿コンテンツ数も増加傾向にあり、プラットフォームとしてのネットワーク効果が高まっています。
今回の発表では、これまでCXO(Chief Experience Officer)を務めていた深津貴之氏が、新たにCSO(最高戦略責任者)に就任する人事も明らかにされています。深津氏は、これまでもプロダクト体験の向上やレコメンド機能の改善をリードしてきたとされ、今後はAI活用とパートナー連携を軸に、コンテンツの届け先や収益機会を拡大する役割を担います。ユーザー体験と収益性の両立を図る戦略ポジションへの昇格は、AIを中核とした事業モデルへの転換を加速させる狙いがあるとみられます。
同社は、IR記事などで「クリエイターエコノミー」の成長を支えるインフラとなることを掲げており、個人クリエイターのみならず、企業・自治体・メディアなど多様なプレイヤーの発信基盤としての役割を強めています。AI技術を活用して、コンテンツの発見性やマネタイズ機会を高めることで、プラットフォーム全体の価値を押し上げる構図です。利益成長と同時に、AI時代の情報流通のあり方をどう設計していくのか。noteの動向は、日本発のコンテンツプラットフォームがどのように持続可能なモデルを築くのかを示す一つの試金石になりつつあります。








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