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三洋貿易のグループ会社であるコスモス商事が機材納入を通じて支援する「南鳥島レアアースプロジェクト」において、深海底からのレアアース(希土類)を含む泥の採取に成功しました。このプロジェクトは、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環として推進されています。
2026年1月12日、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する地球深部探査船「ちきゅう」が静岡市の清水港を出航し、東京都の南鳥島沖合へと向かいました。本州から約1900キロ・メートル離れた排他的経済水域(EEZ)内において、コスモス商事が納入した採鉱機、揚泥管、浮力体、および遠隔操作無人探査機(ROV)を活用したテスト接続が実施されました。
水深約6000メートルという過酷な高水圧環境下でパイプを降下させる世界初の試みでしたが、納入されたシステムは安定的に稼働しました。その結果、2月2日に海洋研究開発機構は海底の泥を船上へ引き上げることに成功したと正式に発表し、2月14日には約1か月の航海を終えた「ちきゅう」が清水港に無事帰港しました。引き上げられた泥には、ネオジムやジスプロシウムといったハイテク産業に欠かせない重希土類が豊富に含まれていることが事前の調査で判明しています。
電気自動車のモーターなどに不可欠なレアアースは、現在その国内需要の約6割から7割を中国からの輸入に依存しています。中国政府が輸出規制を強化する中、特定の国に頼らない調達網の構築は日本の経済安全保障における長年の課題でした。過酷な深海での作業でしたが、納入された機器は現在もシステムの一部として安定運用に向けた試験と検証に役立てられています。今回の採掘試験の成功により、「理論上の資源」であった深海レアアース泥が、国産鉱物資源として現実的な供給体制へと移行する大きな足がかりを得たことになります。コスモス商事は今後も、納入機器の運用支援やエンジニアリングサポートなどの付加価値サービスを通じて、本プロジェクトに継続して貢献していく方針です。
経済安全保障の強化と本格的な商業化への課題
南鳥島沖での初期的な試掘成功を受け、今後は商業化を見据えた技術的・経済的課題の克服へと焦点が移ります。政府と海洋研究開発機構は、2027年2月ごろに1日あたり最大350トンの泥を採取する大規模な本格試掘を実施する予定です。さらに、採掘から製錬に至るまでのトータルコストを精査し、2028年3月までに事業としての採算性評価に関する報告をまとめる計画です。
これに呼応するように、政界の動きも活発化しています。一部メディアの報道によれば、自由民主党の海洋開発特別委員会は、開発スピードをさらに加速させるため、政府に対してレアアース採掘に向けた専用船の建造を求める提言案を取りまとめたことが判明しています。6000メートルの深海から泥を引き上げる膨大なコストをいかに削減し、製錬プロセスも含めた国際市場での価格競争力を確保できるかが最大の鍵となります。国家の威信をかけた純国産レアアースのサプライチェーン構築に向け、官民一体となった技術革新と政策支援のさらなる加速が強く求められています。








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