
全米自動車協会(AAA)は7月20日、レギュラーガソリンの小売価格が全米平均で1ガロン(約3.8リットル)当たり再び4ドル(約650円)の大台を突破したと発表しました。米国とイラン間の軍事衝突が激化し、原油先物相場が急上昇していることが最大の要因です。国際的な指標となるニューヨーク商業取引所の原油先物市場では、米国産標準油種(WTI)が一時1バレル=85ドル台まで上昇し、約1カ月ぶりの高値を記録しました。
両国は一時、停戦や和平に向けた協議開始の覚書に署名したものの、7月に入ってから互いに合意違反を非難し、攻撃を再開したとされています。世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を通るタンカーの航行安全に対する懸念が強まり、エネルギー供給の停滞が長期化する事態が強く危惧されています。
現在、米国は自動車での移動が最も増加する夏のドライブシーズンの最中にあります。消費者にとって、日常的に目にするガソリン価格はインフレを直接的に実感する代表的な指標となります。エネルギー価格の急騰は、物流コストの増加を通じて食料品など広範な生活必需品の値上げに直結します。
購買力の低下によって旅行や外食といった非必需品への支出が手控えられ、個人消費全体の伸びが大きく鈍化することが懸念されています。具体的には、供給不安による原油市場の価格上昇(WTI原油の一時85ドル台・約1カ月ぶり高値への急騰)を起点として、小売価格の高騰が家計を圧迫し(4ドル突破による40%の消費者の行動変容)、最終的に購買力低下による非必需品への支出減から経済成長の鈍化へと波及する懸念も指摘されています。
トランプ政権への強まる逆風と中間選挙への波及
こうしたガソリン価格の高止まりは、11月に控える中間選挙に向けて、トランプ政権にとって極めて深刻な打撃となる可能性が高まっています。車社会である米国において、ガソリン高がもたらす生活への痛みは、野党の支持層や無党派層にとどまらず、政権の基盤である共和党支持層にまで広く波及し、不満を増幅させています。
トランプ政権は、もともと化石燃料を重視し、原油価格の引き下げを目指していました。しかし、自身の強硬な外交行動が引き金となってエネルギー価格の高騰を招いたことは、大きな誤算となりました。
政権側は支持率の回復を最優先とし、イランとの和平交渉の模索や小売事業者に対する価格引き下げの働きかけを急いでいます。しかし事態の収拾が遅れれば、共和党が激戦州を中心に苦戦を強いられ、大きな逆風となることが避けられない状況です。












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