
食品・物流大手のニチレイがサイバー攻撃を受けてシステム障害に陥った問題で、「ランサムハウス」と名乗るハッカー集団がインターネットの闇サイト「ダークウェブ」上で犯行声明を出したことが21日、判明しました。情報セキュリティー会社S&Jの三輪信雄社長が声明の内容を確認しています。
ランサムハウスはロシア系とされる集団で、企業から顧客情報などのデータを盗み出したうえで金銭を要求する「ランサムウエア」型の攻撃を常用することで知られています。声明では、盗んだとみられるニチレイのデータの一部を提示したうえで、機密データや文書の流出を防ぎたいのであれば速やかに連絡するよう経営陣に求める内容が記されていました。同集団は昨年、通販大手アスクルへのサイバー攻撃でも同様に犯行を主張していたことが知られています。
ニチレイ側は22日、犯行声明の存在を把握しているとコメントしたうえで、警察や関係機関と連携しながら対応を進めていると説明しました。一方で、身代金を要求されているかどうかを含む攻撃の詳細については「情報開示を差し控える」との姿勢を示しています。同社グループの取引先は約5000社に及ぶとされ、影響の範囲は広範にわたっています。
ニチレイは今月13日に不正アクセスを確認したと発表しており、被害を受けたサーバーの一部には個人情報が保管されていたため、対象となる利用者にメールや郵送で通知を行いました。現時点では、個人情報や顧客データが外部に流出したことを示す事実は確認されていないとしています。
物流への影響とKFCなど取引先の対応
システム障害の発生によって、ニチレイグループの冷蔵倉庫における入出庫業務や冷凍食品の出荷に大きな支障が生じ、外食産業やスーパーなど幅広い取引先に影響が広がりました。これを受けて一部店舗で販売メニューの制限や営業時間の短縮を余儀なくされていた日本ケンタッキー・フライド・チキンは、22日までに全店舗で通常営業を再開したと発表しています。
ニチレイは17日から業務を順次再開しており、今週中には全拠点での通常稼働を目指す方針を示しています。専門家からは、取引先や関連会社も含めたサプライチェーン全体での防御体制の強化が今後の課題として指摘されています。
日本国内では近年、ランサムハウスをはじめとするランサムウエア集団による攻撃が相次いでおり、企業のシステムだけでなく取引先や消費者にまで影響が及ぶケースが増えています。専門家は、被害の拡大を防ぐためには自社のセキュリティー対策だけでなく、関連会社や取引先を含めたサプライチェーン全体での防御体制の構築が不可欠だと指摘しています。今回のニチレイの事案も、物流という社会インフラの一部を担う企業が標的となったことで、食品供給網の脆弱性があらためて浮き彫りになったといえます。












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