米Netflix、成長鈍化で投資家心理が悪化 人気ミステリーやスポーツ中継で再起を図る

動画配信サービス大手の米Netflixは、2四半期連続で売上高の伸びが鈍化するとの見通しを発表しました。同社が公表した7-9月(第3四半期)の業績予測によると、売上高が129億ドル(約2兆900億円)、1株利益は82セントとなる見込みです。直近の4-6月(第2四半期)の実績については、売上高が126億ドル、1株利益が80セントとなっていました。第3四半期の予測値はいずれの数値も市場の事前予想をやや下回る水準であったため、株価は時間外取引で一時9%下落しました。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収を模索した動きや直近の業績動向を受け、投資家の間では動画配信市場における同社の圧倒的な首位としての勢いが失われつつあるとの懸念が広がっています。過去1年間で株価は4割強下落しており、有料動画配信サービスにおいて契約者数および視聴実績でトップを維持しているものの、売上高の伸びは鈍化しています。
この停滞の主な要因として、2026年上期に数カ月にわたって市場を牽引するほどの強力な新作ヒットに恵まれなかったことが挙げられます。また、期待されていた人気シリーズの続編においても、新シーズンで視聴者を長期間惹きつける力が不足していたと分析されています。Netflixは今後の成長維持に向けた計画も示しており、ハーラン・コーベン原作のドラマ「捜索者の血」など最近のヒット作をアピールしました。同作は今年配信されたNetflixの新作オリジナルシリーズの中で最も多く視聴されました。また、上期の総視聴時間も前年をやや上回る2%増となり、サッカーのワールドカップ(W杯)や冬季五輪といった大型イベントの裏側でも堅調な結果を残しています。
未開拓市場へのアプローチ スポーツ配信やAI活用など新たな成長戦略
スペンサー・ニューマン最高財務責任者(CFO)はアナリスト向けの説明会において、「四半期ごとの短期的な業績に左右される経営方針は採っていない」と強調し、市場の不安払拭に努めました。同氏によれば、現在対象となる市場全体の約45%しか取り込めておらず、世界のテレビ視聴全体に占めるシェアもわずか5%にすぎないとし、今後の長期的な成長余地は大きいと説明しています。これに基づき、通期の売上高は60億ドルの増加を見込んでいます。
中長期的な成長維持に向け、同社はライブスポーツ中継や動画ポッドキャストといった新領域のコンテンツ投資を加速させています。日中やモバイル端末での視聴を促進するため、YouTubeで高い影響力を持つアラン・チキン・チャウ氏やニック・ディジョバンニ氏との新たな契約を締結したほか、フランスの大手放送局であるTF1との異例の戦略的提携も開始しました。今年の番組制作費は約10%増加させる強気な姿勢を示しており、約300作品に生成AIを活用することで制作プロセスの効率化とイノベーションを同時に追求しています。
一方で、データ開示の透明性に関しては方針転換が見られます。これまで年2回発表してきた視聴実績を網羅したリポート「What We Watched(見られた作品)」の開示頻度を、今後は年1回へ減らすと表明しました。業界内で類を見ない詳細な実績開示が強みとして評価されていた背景があるため、この開示方法の変更自体が、投資家の懸念を強める可能性もあるとみられています。












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